2022 Fiscal Year Research-status Report
FDG-PET腫瘍診断における人工知能技術を用いた新たな統計雑音低減処理法の開発
Project/Area Number |
22K07259
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
津田 啓介 順天堂大学, 保健医療学部, 准教授 (00598146)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | FDG-PET / 描出特性 / 統計雑音低減処理法 / CaLM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、FDG-PET腫瘍診断においてAI技術による新たな統計雑音低減処理法を用いて、信号雑音比の高い良質ながん病変の描出を確立し、がん診断成績の向上を目指し、令和4年度はがん病変内部の代謝活性の違いによる描出特性を理論的に検討した。 NEMA/IEC body phantomを使用し、その内部に異なる大きさの球体および2層構造から成るがん病変を模した球体を用いて基礎実験を実施した。2層構造から成る球体へ封入するFDGの放射能濃度差を変化せたFDG-PET画像を取得した。外層とバックグラウンドの境界面を明瞭に描出するためには、画像再構成アルゴリズムの過程におけるフィルタ処理を至適化することが必要と考えられるため、至適な補正処理を特定し、がん病変内部の不均一性を考慮した代謝活性の違いによる描出特性を理論的に検討した。 続いて、FDG-PET/CT検査を受けた症例の既存画像データ49症例について、呼吸運動の影響を受けていない頭頸部領域へFDG集積がある症例の画像データを後ろ向きに解析した。一般診療にて実施された、TOF-OSEM法(PSF+、Iteration:3、Subset:10)で画像再構成された画像データを基準画像とし、画像データには新たな統計雑音低減処理法:Clear Adaptive Low-Noise Method (CaLM)の3つのパラメータ(Mild、Standard、Strong)を組み込んで画像再構成した。得られた画像データ(処理画像)に対して、定量的評価を行った。本研究は、順天堂大学保健医療学部研究等倫理委員会および順天堂大学医学部医学系研究等倫理委員会で承認され実施した。 本研究の結果、実験的検討および臨床的検討ともにFDG-PET/CT検査において、CaLMを用いた画像再構成法では、パラメータとしてStandardが有用であると示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画では、PET装置固有の画像再構成アルゴリズムが影響している可能性があるため、複数のPET装置についても検討する予定であった。しかし、令和4年度は単一のPET装置についてのみの検討に留まったが、当初の研究計画通り、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、AI技術を用いて、がん病変内部の糖代謝活性の違いを正確に描出したFDG-PET画像を教師データとして、FDG-PET画像に含まれる雑音成分のみをDeep learningにより低減させ、がん病変の描出を保持したまま効果的に統計雑音を低減させた画像の取得する予定である。得られた雑音低減処理画像を解析し、がん病変の集積形状およびバックグランドとの境界面を明瞭にする、信号雑音比の高い良質ながん病変を描出させる新たな統計雑音低減処理法の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
令和4年度に設備備品費として画質評価ファントムの購入を計上していたが、一部を本学で有している既存品で代用した。このため、令和5年度に当該画質評価ファントムの購入を予定している。また、令和4年度に成果発表として国内および国外旅費を計上していたが、当該年度に成果発表が皆無であったため、令和5年度に発表予定である。
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