2023 Fiscal Year Research-status Report
FDG-PET腫瘍診断における人工知能技術を用いた新たな統計雑音低減処理法の開発
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22K07259
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
津田 啓介 順天堂大学, 保健医療学部, 准教授 (00598146)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | FDG-PET検査 / 描出特性 / 統計雑音低減 / CaLM |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は令和4年度に引き続きがん病変内部の代謝活性の違いによる描出特性を理論的に解明するべく検討した。令和5年度のファントム実験では、単層または二層構造から成るがん病変を模した画質評価ファントムを使用し、二重球体へ封入するFDGの放射能濃度差を変化させたFDG-PET画像を取得した。コントラストを維持したまま統計雑音を低減できるCaLM (Clear Adaptive Low-noise Method)フィルタと従来の臨床にて広く普及しているガウシアンフィルタとの違いを定量的な評価から比較検討した。令和5年度の結果、CaLMによる統計雑音低減処理法は、二重球体内部のノイズを低減しながらも空間分解能およびコントラストの劣化を抑えることができた。しかし、小さな濃度差を正確に定量値として描出することは困難であることが示唆された。 続いて、FDG-PET検査を受けた症例の既存画像データ22症例について、頭頸部領域へFDG集積がある症例の画像データを後ろ向きに解析した。一般診療にて実施された、TOF-OSEM法(PSF-、Iteration:3、Subset:10)で画像再構成された画像データを基準画像とし、画像データにはCaLMの3つのパラメータ(Mild、Standard、Strong)を組み込んで画像再構成した。得られた画像データ(処理画像)に対して、定量的評価を行った。本研究は、順天堂大学保健医療学部研究等倫理委員会および順天堂大学医学部医学系研究等倫理委員会で承認され実施した。 臨床的検討の結果、FDG-PET検査において、CaLMを用いた画像再構成法では、パラメータとしてStrongが有用であると示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実績の概要に記載の通り、令和5年度までに得られたファントム実験の結果、CaLMを用いた新たな統計雑音低減処理法は、二重球体内部のノイズを低減しながらも空間分解能およびコントラストの劣化を抑えることができたが、小さな濃度差を正確に定量値として描出することは困難であることが示された。このため、令和5年度までに得られているファントム実験の結果から、CaLMフィルタを用いた機械学習は難しいと考えられ、令和5年度に計画していたAI技術を用いた新たな統計雑音低減処理法の開発には着手できていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度までに得られているファントム実験の結果からCaLMフィルタを用いた機械学習は難しいと考えられる。また、統計雑音低減処理法はPET/CT装置固有の画像再構成アルゴリズムに影響を受けている可能性があるため、令和6年度上半期までに本研究で用いたPET/CT装置以外に、半導体PET/CT装置を用いて同様のファントム実験を実施し、がん病変内部の不均一性を考慮した代謝活性の違いによる描出特性を理論的に解明する予定である。
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Causes of Carryover |
令和5年度に設備備品費として深層学習用ワークステーションの購入を計上していたが、令和5年度までに得られているファントム実験の結果からCaLMフィルタを用いた機械学習は難しいと考えられる。このため、深層学習用ワークステーションの購入を見送り、新たに画質評価ファントムを用いた追加実験を実施する際の消耗品費(放射性医薬品など)に使用を予定している。また、令和6年度上半期に成果発表を予定している。
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Research Products
(11 results)