2023 Fiscal Year Research-status Report
Lynch-like syndrome include hereditary cases difficult to diagnose.
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22K07266
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
山本 剛 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 臨床腫瘍研究所, 副部長 (80384189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤木 究 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 科長(兼)診療部長 (30244114)
井内 勝哉 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 技師 (40553847)
高橋 朱実 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 研究員 (40743620)
角田 美穂 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 研究員 (60347359)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リンチ症候群 / Lynch-like syndrome / 遺伝学的検査 / ミスマッチ修復遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、MSI-Hあるいは免疫染色によるdMMRが明らかになっている症例に対するエクソーム解析21症例、MSI検査と免疫染色の結果が一意しない子宮体がんの解析を12症例、メチル化を認める子宮体がんのGermlineバリアント解析を50症例行った。その結果、エクソームを行った1例からPOLD1のバリアントが検出され、バリアント評価を行う為に腫瘍のTMBを現在測定している。また、子宮体がんにおいては、腫瘍内の部位によってMMRstatusに違いがある事がわかり、さらに腫瘍においてMLH1メチル化が見られる症例からもGermlineバリアントが検出された。また、本年度から遺伝学的検査の中にMLH1プロモーター領域メチル化検査を含めた結果、2例のGermlineメチル化症例を検出した。 さらに胃癌498症例を用いたMSI検査とIHC検査の一致率に関する研究では、MSI検査の対象領域によって評価が異なる可能性を見出し、論文化を行った。 また、ClinGenのInSiGHT/ClinGen Variant Curation Expert Panelにおける活動では、MMR遺伝子のバリアント評価に関するGene-Specific Criteriaを作成し、Criteria Specification (CSpec) Registryでの公開準備と論文投稿を同時に行っている。将来的にはこの中にLinch-like syndromeの診断に重要な腫瘍のシーケンスを用いたバリアント評価を追加する予定で議論が進んでいる。さらに今後の研究計画立案の準備として、C-CATのデータを用いたバリアントの評価を計画しており、すでに倫理審査は終了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は多くの症例を解析することができた。エクソームデータからはPOLD1遺伝子のバリアントが検出され、当初の研究計画の目的であるMMR遺伝子以外のdMMRと関連したバリアントを見出すことができた。また、子宮体がんのデータからは、腫瘍におけるMLH1メチル化症例からもGermlineバリアントが検出されることが分かり、これまで大腸癌で考えられてきたdMMR検査とMLH1メチル化の概念が、子宮体がんでは異なることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はエクソーム解析をさらに進め、腫瘍における2hitの解析や、Long PCRを使用したMMR遺伝子全領域の解析も進めていく予定である。最終的には、可能な範囲でLinch-like syndromeの全体的な傾向を解明することを目標とする。
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Causes of Carryover |
エクソーム等の高額な費用を必要とする研究に関して、他の資金を利用して遂行できたことが大きな原因となっている。しかし、腫瘍を使用したシーケンス結果とバリアントの評価がLinch-like syndromeの解明に大きく寄与する可能性が明らかとなったため、次年度はデータベースを活用したツールの開発や、さらなるシーケンス解析など、当初の計画よりも多くの研究費用が必要になると考えられる。次年度使用額はそれに充てられる。
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