2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒト膵管上皮オルガノイドを用いた膵管内乳頭粘液性腫瘍の発癌関連因子探索研究
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22K07271
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
松田 暁子 山形大学, 医学部, 講師 (10573272)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 膵癌 / IPMN / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒト膵切除検体から作成した膵管上皮organoidにIPMNを特徴づける任意の遺伝子変異を導入した際の形質変化を反映した液性因子を解明する事を目的としている。
任意のcDNA配列を組み込んだplasmid DNAを作成し、Lenti-X Packaging Single Shots (VSV-G、Takara Bio)を用いてLenti virus vectorを作成した。KRASG12Dは既存のplasmidであるpBABE-Puro-KRas*G12Vを、GNASR201Hは、TrueORF cDNA Clone(OriGne)で作成したplasmidを用いた。7日~14日間培養したorganoidを回収しsingle cell化し、Matrigel(Corning)にsingle cellと作成したベクターを添加しtransfectionを行っているが、KRASG12Dについては安定した遺伝子導入が可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現段階では、7日~14日間培養したorganoidを回収しsingle cell化し、Matrigel(Corning)にsingle cellと作成したベクターを添加しtransfectionを行っているが、GNASR201Hの導入が安定せず、現在は導入効率についてtransfection環境の調整を行っている段階である。よって、現段階では予定の3系統organoid(KRASG12D、GNASR201H、および両者)のうちKRASG12Dのみの導入にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画では、令和4-5年にかけて、凍結保存済みの膵管上皮organoidを用いて3系統のorganoid樹立が完了している予定であったが、目標よりやや遅れている状況である。今年度中に遺伝子導入効率を安定化し、病理学的評価と、ヌードマウスへのorganoidの移植、腫瘍形成能の評価まで完了するよう準備中である。なお、GNASR201Hプラスミドからの遺伝子導入が困難である場合は、もともとGNAS変異を有するヒトIPMN手術検体から樹立したorganoidを使用できるか、併せて検討を行う。
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Causes of Carryover |
現段階では、7日~14日間培養したorganoidを回収し、Matrigelにsingle cell化したorganoidと作成したベクターを添加しtransfectionを行っているが、GNASR201Hの導入が安定せず、現在は導入効率についてtransfection環境の調整を行っている段階である。もともとorganoid培養は継続的に行っており、それに関連する試薬は研究室にあったものを使用しており、ベクターとplasmid関連の費用のみ、現段階では新たに使用した事となったため、次年度の使用額が生じた。
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