2023 Fiscal Year Research-status Report
腎芽腫メタボローム解析(尿/組織)による診断マーカーとオンコメタボライト探索
Project/Area Number |
22K07276
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
岡本 眞宗 東邦大学, 医学部, 助教 (60894251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城田 千代栄 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20378194)
成田 敦 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20625149)
牧田 智 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20718415)
田井中 貴久 東邦大学, 医学部, 臨床准教授 (30378195)
内田 広夫 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40275699)
高橋 義行 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40432273)
大澤 毅 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (50567592)
住田 亙 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (70437044)
田中 裕次郎 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90382928)
檜 顕成 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (90383257)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Wilms腫瘍 / キャピラリー電気泳動質量分析法 / 液体クロマト質量分析法 / 尿中バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
Wilms腫瘍は小児の腎腫瘍の中で最も頻度が高い腫瘍であり、小児腎腫瘍の90%を占める。現在ではStageⅠであれば90%以上の5年生存率が得られ治癒可能な病気へと変化してきたが、現行の治療法では未だ十分な治療効果とは言えない。腎動脈や大動脈周囲のリンパ節や肺に転移をきたしやすく、腎静脈から下大静脈内に 腫瘍塞栓を形成することもあり、全体の約10%に予後不良群を認める。最近ではメタボロミクス技術の発展により生体内の代謝情報を鋭敏且つ包括的に捉えることが可能となり、様々な癌種において新たなバイオマーカーや病態の解明が進んでいる。 本研究はWilms腫瘍における患児尿と健常コントロール尿の 代謝プロファイルの違いや関連を明らかにすることを目的とし 、CE/MS:キャピラリー電気泳動質量分析法を中心に代謝物を測定した。(腎芽腫、健常コントロール 計10サンプル) 質量分析法の種類(CE/MS、LC/MS)により、検出可能な代謝物質の網羅性・定量性が大きく異なることがわかっている。実際にCE/MSはイオン性化合物に対し高い分離能を有するが、実際の測定は煩雑である。一方LC/MSは核酸・脂肪酸・リン酸化合物をはじめとした幅広い測定が可能であるがイオン性物質の分離能は低い。単独の測定法ですべての代謝物質を網羅するのは困難なため、比較的特性の似ている化合物群に対し、適切な分析装置を選択し疾患特異的な代謝物を特定する必要がある。そこでCE/MSに加え、同時にLC/MSでも組織中の代謝物を測定中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に腎芽腫尿サンプルと腎芽腫組織サンプルを臨床情報付きで収集し、キャピラリー電気泳動質量分析法(CE/MS)、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)で測定した。現在データ解析中。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きWilms腫瘍サンプル及びコントロールサンプル(尿・組織)を収集し、Wilms腫瘍において疾患貢献度の高い代謝物をターゲットに、疾病機序の解明、尿中バイオマーカー探索を続けていく。
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Causes of Carryover |
次年度に代謝物解析を繰り越したため、未使用額が生じた。 次年度は代謝物の解析や測定に使用する予定である。
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