2023 Fiscal Year Research-status Report
進行乳癌に対する高品質・個別化・効率化を追求した高精度放射線治療体制の構築
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22K07281
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土井 歓子 広島大学, 医系科学研究科(医), 専門研究員 (50723029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 稔 広島大学, 医系科学研究科(医), 特任助教 (50726601)
三浦 英治 広島大学, 医系科学研究科(医), 特任講師 (50752078)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 自動輪郭作成用モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は商用ベースの放射線治療計画装置に付随している自動輪郭作成ツールを用いて、過去に我々が経験した症例を教師データとする自動輪郭作成用モデルを構築したので、今年度はこの自動輪郭作成用モデルを応用して日常臨床を進めた。この自動輪郭作成ツールを用いると、治療計画者が変わっても同質な照射ターゲットの作成が可能であり、照射ターゲットの作成にかかる負担の軽減が得られたと実感している。さらなる負担軽減のために、今年度は照射野を自動で作成出来る機能を有する治療計画システムを利用出来るか検討を進めた。10症例を従来の治療計画システムと新規で利用しようとしている治療計画システムで治療計画結果を比較したところ、新規の治療計画システムの方が照射ターゲットへの照射線量は保ちつつ、肺野への照射線量が低減できる可能性があった。今後は症例数を増やして検討を進め、最適な治療計画を短時間で作成出来るように研究を進める。 また、高精度放射線治療計画の物理検証の簡略化の課題については、人工知能(AI)に基づくガンマ線通過率(GPR)予測を用いた研究が応用できる。このGPRは線量精度の位置情報を失うという限界があったが、治療計画システムから算出されたフルエンスマップをガンマ分布に対応させる画像予測ネットワークを敵対的生成ネットワーク(GAN)を用いて作成することで、患者固有の物理的な品質保証結果を合成できる新しいシステムを構築でき、合成ガンマ分布と実測ガンマ分布を比較して高い性能を示していることがわかった。今後は乳癌治療において臨床応用できるように検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、①高精度放射線治療計画を簡便に作成すること、②物理検証を簡略化させることを目的としている。①については治療計画作成に関する簡略化の目途が立ちつつあるが、②については手法確立に向けた研究をより進めていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
乳癌に対する高精度放射線治療を推進するために、新規の治療計画システムを応用し、治療計画者が変わっても同質な治療計画が作成出来るように研究を進める。また、高精度放射線治療の物理検証の簡略化に関しては、研究協力者と連携しつつ現実的に臨床応用出来るように研究を進める。
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Causes of Carryover |
R5年度は研究代表者の勤務病院の異動があり、参加し情報収集する予定であった学会への参加を見送ることもあったので次年度使用額が生じた。R6年度は物理検証に関する研究の協力者に対して学会報告にかかる経費等を支出することを検討している。
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