2023 Fiscal Year Research-status Report
悪性グリオーマの遺伝子細胞治療に向けたヒト歯髄幹細胞の加工と製剤化
Project/Area Number |
22K07289
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
池野 正史 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80298546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 茂 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00293697)
武内 恒成 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90206946)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 悪性グリオーマ / 細胞治療 / 遺伝子治療 / 歯髄幹細胞 / 自殺遺伝子 / TERT遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の悪性グリオーマに対する自殺遺伝子療法とは、ヒト間葉系幹細胞を利用して自殺遺伝子HSVtkを腫瘍組織へデリバリーする方法であり、これまでにヒト間葉系幹細胞をベースとしたHSVtk保有細胞を株化する基本技術は確立した。本研究ではHSVtk保有細胞の製剤化に向けてベースを歯髄幹細胞に特化し、長期培養に伴う品質安定性、抗腫瘍効果の有効性などを評価対象として高機能な治療細胞株を作製することが目的である。 前年度には、歯髄幹細胞を用いて一連の作製過程を検証するとともに、長期培養に伴う品質安定性に必要なTERTによる寿命延長効果を評価した。線維芽細胞や臍帯由来幹細胞と比較すると、歯髄幹細胞においては寿命延長効果が限定的であり、抗腫瘍効果に関わるHSVtk遺伝子の発現レベルが低いなどの課題が顕在化した。 そこで2023年度は、歯髄幹細胞においてTERTによる寿命延長効果が限定的である原因を見つけるために、TERT遺伝子導入の前後における遺伝子変動をRNAseqにより比較した。歯髄幹細胞における遺伝子変動数は、線維芽細胞と比較すると1/5程度と少なく、また細胞周期制御に関与する特定の遺伝子の発現に違いがあった。TERT遺伝子導入による効果が細胞種ごとに異なることから、TERTに代わる寿命延長方法として、強力な不死化効果を持つSV40ラージT抗原を検討した。その結果、歯髄幹細胞においては正常核型を維持したうえで寿命が延長し、同時に導入したHSVtk遺伝子の発現量が向上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
治療細胞のベースを歯髄幹細胞に特化するために、TERTによる寿命延長効果を検証した。しかし、線維芽細胞の場合と比較して寿命延長効果が不足したことから、当初計画から変更し、TERTに代わり寿命を延長する手段を検討する必要性が生じた。不死化実績があるSV40ラージT抗原の適用可能性を検討した。SV40ラージT抗原の導入は、一般的に核型異常や細胞性質の変化を引き起こすことから、正常細胞への適用は回避される傾向にある。予想外に、歯髄幹細胞においては正常核型を維持したことから、SV40ラージT抗原をTERTに代わり歯髄幹細胞の寿命を延長する目的に利用することとした。現在、正常核型が維持できる原因を探索するとともに、腫瘍組織への集積機能や抗腫瘍効果など治療細胞として必須な要素について評価を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
TERT遺伝子による寿命延長効果や細胞周期制御の強固さには細胞種による違いがあることから、歯髄幹細胞に特化した寿命延長および細胞性質維持の方法を選定する必要がある。治療用細胞には、恒久的な細胞の増殖や維持は求められず、寿命延長の操作に際し、治療細胞として必須な機能要素が維持されることが重要となる。 そこで、歯髄幹細胞においては核型異常を引き起こさないSV40ラージT抗原について、炎症部位や腫瘍組織への集積機能、抗腫瘍効果に必要なHSVtk発現、および細胞がん化の可能性などを詳細に検討し、歯髄幹細胞の治療細胞としての製剤化に結びつける。
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Causes of Carryover |
次年度の計画に変更点が生じたために、次年度の消耗品費に割り当てる。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Endogenous chondroitin extends the lifespan and healthspan in C. elegans2024
Author(s)
Shibata Y, Tanaka Y, Sasakura H, Morioka Y, Sassa T, Fujii S, Mitsuzumi K, Ikeno M, Kubota Y, Kimura K, Toyoda H, Takeuchi K, Nishiwaki K.
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Journal Title
Scientific reports
Volume: 14
Pages: 4813
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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