2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K07301
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 陽子 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00894247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増永 奈苗 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60961620)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ESR1 mutation / primary breast cancer |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌原発巣でのESR1変異を高感度に検出する変異解析手法の確立を進めている。具体的には、変異を有する遺伝子のみを選択的に増幅させるPCR clampingを応用し、ESR1 wild-type DNAをclampする人工核酸(LNA oligo)を設計し、変異の濃縮効果や解析結果への影響を確認している。変異検出のターゲットは、ESR1変異の上位2変異であるY537S (1610A>C)およびD538G(1613A>G)とし、そのそれぞれの変異部位に対して独自のLNA-oligoを設計した。設計したLNA-oligoでのclamp効果を検証した結果、約6,000万コピーもの大量のwild-type DNAをクランプできることが実証された。また、wild-typeとmutant-typeを混ぜてPCRを行い、wild-typeを完全にブロックし、混在する変異オリゴには影響を与えないPCR条件を検討した。このLNA oligoを用いてESR1変異検出の感度検定を行い、0.003%程度の微小変異まで検出できることを確認した。さらに、原発巣に含まれる微小変異をより高確率に捉えるために、DNAではなくmRNA(cDNA)を解析対象とすることとした。予備実験として、乳癌細胞株10種にてDNAとmRNAのESR1発現割合を比較し、ER陽性細胞株ではmRNAの方が約3.42倍(1.02-8.92)発現が多い事も実証された。今後は、pilot studyとして、実際のサンプルでmRNA(cDNA)を用いて解析を行ったのち、対象症例での変異解析を行う予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析手法の確立は概ね順調に進んでいる。PCR条件検討、感度検定が概ね完了した。感度検定の結果、当初予定していたDNAではコピー数が不足することがわかったが、細胞株での予備実験の結果、mRNAを用いることでこの問題を解決することができるとわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、pilot studyとして、実際のサンプルでmRNA(cDNA)を用いて解析を行ったのち、対象症例での変異解析を行う予定としている。
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Causes of Carryover |
当年度は解析手法の確立を目指し予備実験を中心に進めたため、当初の予定よりも解析にかかる費用が少なくなった。サンプルの解析は次年度以降に進めるため、解析にかかる費用を次年度に繰り越すこととする。
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