2022 Fiscal Year Research-status Report
軟部肉腫における腫瘍由来液性因子に惹起される微小環境ネットワークの包括的解明
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22K07303
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
畑 利彰 岡山大学, 大学病院, 医員 (50880887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 智洋 岡山大学, 大学病院, 助教 (80639211)
近藤 宏也 独立行政法人国立病院機構四国がんセンター(臨床研究センター), その他部局等, 医師 (40846911)
吉田 晶 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 技術職員 (00910514)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CSF-1 / TAM / 腫瘍随伴マクロファージ / 浸潤性軟部肉腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト・マウス軟部肉腫細胞株培養上清や軟部肉腫患者血清に対してマルチイムノアッセイによる解析を行い、各種サイトカイン/ケモカインの発現を確認し、その中からTAMへの分化に重要と各分野で報告されているCSF-1に対して研究を継続している。また腫瘍検体の免染を行い、腫瘍内へのマクロファージや免疫細胞の浸潤の程度を解析し、前述のCSF-1との関連性を検討した。CSF-1の高低によって、単球からマクロファージへの分化の程度の違いなどをフローサイトメトリーで評価すると同時に、患者情報における予後予測因子としてCSF-1が有用であるかどうかを継続して評価している最中である。 治療経過に沿った候補分子としてCSF-1が適当かどうかに対しては、周術期や長期フォローできている患者血清、また腫瘍接種マウスの腫瘍発育経過中における血清を用い解析を行っている。しかしながら、周術期の炎症性サイトカインの影響と考えられるが、明らかな病勢を反映した変動とは言い切れない状況であり、さらなる解析が必要と考える。現在のところは、血中CSF-1濃度は浸潤性軟部肉腫が体内に存在するかどうか、またそのサイズのマーカー候補といえる状態である。 今後、CSF-1非存在下における腫瘍発育や細胞株分化の変化などの追加実験を行い、CSF-1のin vivo/ vitroにおけるさらなる存在効果を解析評価する予定である。それらの実験を行うことにより、実施計画の最終項である血中モニタリングによるオーダーメイド治療の可能性を評価できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ、実験は順調に進んでおりまとめの段階には入っているが、その際に論述上必要な実験や解析が発生するため、進展度合いとしてはおおむね順調、と考える。今後はCSF-1非存在下での培養実験や腫瘍接種実験があり、これらを行うことによってさらなる理論だった報告が可能となると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに実験や評価を行った、CSF-1条件下でのマクロファージ分化や浸潤の程度、予後評価は順調に進んでいるため、今後はCSF-1非存在下での実験を行い、目的のCSF-1とTAMやTMEの関係、さらには予後の解析やその他CSF-1が与える影響を解析する予定である。
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Causes of Carryover |
研究遂行上、予後の解析等を次年度実施することとなり、その費用に充当する。
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Research Products
(3 results)