2023 Fiscal Year Research-status Report
PDGFRA遺伝子変異の抗がん剤感受性マップの作製
Project/Area Number |
22K07305
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
濱田 大治 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (30771480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 昭英 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10217151)
横山 勢也 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (20569941)
比嘉 那優大 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (90792200)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 飽和ゲノム編集 / PDGFRA遺伝子 / 意義不明変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年確立した小規模な飽和ゲノム編集(9塩基連続の網羅的一塩基置換)をさらに発展させる最適化を行った。この編集方法について、1.更なる編集効率の向上、2.同時に編集できる塩基数はいくつか、3.検討を行った以外の領域でも同様の編集が可能か、などを検討項目とした。その結果、編集点に近いガイドRNAを選択するよりも距離にこだわらず切断効率が高いガイドRNAを選択することで編集効率が向上すること、飽和ゲノム編集の各塩基の編集効率は全体の編集効率に依存していること、これらはPDGFRA遺伝子の複数の領域で同様の傾向であり、場所に依存しないことが明らかとなった。これらの検討項目から飽和ゲノム編集方法を更に最適化し、最大で53塩基連続の網羅的な一塩基置換(53塩基×3種類=169バリアント)が1回の飽和ゲノム編集操作で可能となった。飽和ゲノム編集をPDGFRA遺伝子の複数領域で行い、合計468バリアントを作製した。 飽和ゲノム編集で作製した変異を含む細胞プールを培養し、経時的にDNAおよびRNAを回収して超並列シーケンス(次世代シーケンス)で解析した(遺伝子変異が細胞増殖に及ぼす影響)。また、飽和ゲノム編集細胞プールの可能性を探るため、細胞プールを用いたトランスウェルアッセイを行った(遺伝子変異が細胞遊走能に及ぼす影響)。これらアッセイから得られたデータを解析するために、データを取り扱うための統計学的手法を用いた解析パイプラインの構築を本年度より開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画における「飽和ゲノム編集方法の確認および最適化」を達成し、現在「飽和ゲノム編集細胞プールを用いたアッセイおよびそのデータ解析パイプラインの構築」を行っている。これらをもって「遺伝子変異の抗がん剤感受性アッセイ」を行うことが可能であり、最終年度で目標を達成する計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
飽和ゲノム編集の更なる最適化により多数の遺伝子変異の同時解析が可能となった。この網羅的に遺伝子変異を有する細胞プールを用いた抗がん剤感受性アッセイを実施予定である。加えて、飽和ゲノム編集細胞プールを用いた機能解析についても検討を行い、研究計画以上の成果を目指す。
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