2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of single-neuron arithmetic
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22K07322
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥山 澄人 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (10597355)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 数的認知 / numerosity / 演算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は数的演算に関わる神経機構を同定し、その表現様式を明らかにすることである。 数的演算課題遂行中のサルの背側運動前野より単一神経細胞活動を記録し、125個の演算関連細胞を同定することができた。 演算を表現する細胞の表現様式として、演算専属的に足し算、引き算をコードしている可能性(演算専属細胞仮説)、あるいは既存のシステムを再利用して、演算のコードをしている可能性(リサイクル仮説)を検討した。その結果、演算関連細胞の81%が時系列の中で演算情報と手の左右の情報を共にコードしていることが分かった。一方、演算専属細胞は13%にすぎず、リサイクル仮説を支持する結果であった。多くの演算細胞が時系列で演算から手の左右、手数にコードを変えていることが分かった。 この結果を受けて、さらに足し算、引き算の演算と手の左右の情報の結びつきがランダムであるのか、偏りがあるのかを検討した。演算と手の左右の情報を同時にコードしている演算細胞を解析した結果、右手関連細胞では過半数の細胞が足し算をコードし、左手関連細胞では過半数の細胞が引き算をコードしていることがわかった。これは大きい数が右、小さい数が左という、メンタルナンバーラインを彷彿させる結果であり、興味深い結果である。 人間のfMRIの研究では右の眼球運動に関わる脳活動から足し算、左の眼球運動関連活動から引き算を予測できるとする過去の報告があり、同様の予測がサルの運動前野の細胞活動でも可能であるか、引き続き検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予想を超える結果が出てきており、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き解析を進め、運動前野の神経細胞活動をpopulationレベルでデコーディングを行い、サルの行動予測を行う。演算関連活動からサルが使用する手の左右を予測できないか、または左右の手に関連した神経活動からサルが行う演算を予測できないか、引き続き、検討したい。また、これまでの研究成果を論文として報告する準備を進める。
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Causes of Carryover |
学会の開催、精算が年度末であり、物価の高騰の影響から予算を超える可能性が見込まれ、購入予定物品を買い控え、次年度に調整することとした。
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