2022 Fiscal Year Research-status Report
Neural mechanisms underlying behavioral adjustment based on others' internal states in nonhuman primates.
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22K07325
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
兼子 峰明 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 特定助教 (50744372)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自由行動定量化 / 他者認識 / 社会行動 / マーモセット / 神経回路操作 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
自由行動下の複数マーモセットの行動を、人工知能を用いて定量解析する手法の確立を進めた。構築したシステムは、8台のカメラによる同期記録システム、複数のディープニューラルネットワークを組み合わせた解析パイプライン、そしてネットワーク学習のための大規模な教師データの3つの要素で構成される。これらのシステムを用いることで、マーモセット身体の18点の特徴点の時系列データを3次元的に解析することが可能となり、自由行動下のマーモセットにおいて様々な社会交渉行動の定量解解析が実現される。このシステムを用いて他者の行為と内的状態に応じて自己の行動を柔軟に調整する様を観察可能とする行動課題の開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AI解析のための頑健で信頼性の高いシステムの構築に成功した。さらに、このシステムを用いた行動課題によってマーモセットが他者の内部状態に応じて自己の行動を柔軟に変化させることを観察することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝学的操作を用いて他者の内部状態に応じて自己の行動調節を行う際に重要となる神経回路の解明を目指す。アデノ随伴ウイルスベクターの局所注入により抑制性の DREAADである hM4Diを特定の皮質領野の神経細胞に発現させる。リガンドであるDCZの全身投与により、その領野の因果的役割を調べる。さらに、その領野の投射先にカニューレの慢性留置を行い、DCZを局所的に注入する。これにより特定の神経路の役割を調べる。
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Causes of Carryover |
国際学会の参加を見合わせたため
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