2022 Fiscal Year Research-status Report
Computational description of social behavior using a data-driven approach
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22K07338
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
三村 喬生 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部, 研究員 (60747377)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 行動 / 時系列構造 / 数理モデル / 機械学習 / 化学遺伝学 / 神経操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度の2022年度は、行動の分節構造解析に関する実証実験を原著論文にまとめ国際雑誌に投稿した。当該論文では小型霊長類(コモン・マーモセット)および中型霊長類(アカゲザル)の全身自由運動を対象とし、その3次元モーショントラッキング情報に内在する時系列的分節構造を教師なし機械学習により分析する手法の有効性を実証した。当該手法により、マーモセットの摂餌行動およびアカゲザルの自然な動作に内在する行動の単位をデータ駆動に抽出することに成功した。さらに、化学遺伝学による全身運動の変容を、事前情報なしに機械的手段を用いて同定することに成功した。現在査読中であり近日中に出版される見込みである。本内容に関し学会発表・招待講演を含め合計2題の口頭発表および1題のポスター発表を行った。 また、次のステップとして2者の個体間相互作用の時間発展を取り扱う方法論を確立するためにマウントサイナイ医科大学との共同研究として齧歯類の行動情報の取得を開始した。初年度の検討から、モーショントラッキング技術をほぼ確立することに成功した。行動実験は順調に進められているため、次年度は大規模なデータセットを解析可能となる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの基盤的成果に立脚した現状での到達点をまとめた原著論文を投稿した。出版には至っていないが査読中であり近日中の出版が見込まれる。本研究内容に関し、広く国内外の研究者と情報交換を実施し、研究遂行に関する有意義な指摘をいただいた。社会性行動に関する複数の共同研究を開始することができ、研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究成果により1個体の全身自由行動を解析する機械学習アルゴリズムが確立された。次年度は2個体の相互作用を取り扱う新規数理モデルの確立を目指す。霊長類の複雑な行動の前段階として齧歯類のオープンフィールドテストにおける個体間相互作用の時間発展を取り扱う方法論を確立する予定である。初年度の研究成果より、既にモーショントラッキング方法の確立がほぼ完了し、今後はデータの大量取得と、その機械学習における取り扱いの最適化を探索する。
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Causes of Carryover |
国際雑誌に原著論文を投稿するには至ったが、出版には至らなかった。このため生じた未使用額は、次年度英文校閲・出版費用として使用する予定。
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