2022 Fiscal Year Research-status Report
新規オートファジーによるタウオパチー制御機構の解明
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22K07345
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
本田 真也 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, プロジェクト講師 (90532672)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
タウオパチーは、タウによる不溶性の凝集体形成を伴って発症する神経変性疾患である。本疾患の発症には、様々な細胞機能の変調が関わっているが、申請者はこれまでに、新規オートファジー(申請者のグループが発見した、従来型とは異なるオートファジー)機能が低下したマウスにおいて、タウタンパク質の蓄積と神経変性疾患の発症を見出した。また、培養細胞を用いた実験から、申請者らの同定した新規オートファジー誘導化合物 (TMD-X01) の添加によって、病的なタウの蓄積を抑制できることを見出した。即ち、新規オートファジーが、タウオパチーの発症や進行に関与しているものと考えられた。そこで、本研究では、新規オートファジーが変異型タウタンパク質の分解を行うメカニズム、新規オートファジーがタウオパチーの発症・進行に与える影響、および新規オートファジー活性化によるタウオパチー治療の可能性を検討する。 本年度は、タウオパチーモデルマウスへの新規オートファジー誘導化合物 (TMD-X01) の投与による治療効果の解析、及びTMD-X01の結合分子の同定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者らはこれまでに、新規オートファジーがタウオパチーの発症や進行に関与しているというデータを得ている。その詳細なメカニズムの解明、及び新規オートファジー誘導による治療の可能性の検討のため、細胞及びモデルマウスを用い解析を行っている。 本年度は、申請者らの同定した、新規オートファジー誘導化合物、TMD-X01をタウオパチーモデルマウスに投与し、タウの蓄積を改善できるかどうかに関して解析を行った。TMD-X01を4か月齢から7か月齢までの3か月間、週3回経口投与したマウスにおいて、ウェスタンブロットによりタウの蓄積を解析したところ、TMD-X01の投与によりタウの蓄積を軽減させることが確認された。 また、光親和性標識法を用いTMD-X01の結合候補分子を探索した結果、2種類の分子を同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究から、タウオパチーモデルマウスへTMD-X01を投与することにより、タウの蓄積を軽減させることが確認された。今後は、この軽減により認知機能などの脳の高次機能にも改善が認められるかどうかに関して解析を行うとともに、タウオパチーモデルマウスと新規オートファジー活性化マウス(Wipi3Tgマウス)との交配により神経症状に改善がみられるかについても解析を行う。 また、本年度同定した2種類のTMD-X01の結合候補分子に関して、変異型タウ発現Neuro2A細胞を用い、siRNAにより候補分子をノックダウン後、TMD-X01添加によるタウ蓄積への影響を解析する。また、これら分子の発現量や局在に関しても解析を行う。 さらに、タウFibrilを形成できるNeuro2A細胞やタウオパチー患者由来iPS細胞を用い、Fibrilの分解が可能か、ヒト神経細胞での改善がみられるかに関して解析を行う。
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Causes of Carryover |
世界情勢による物品不足に伴い、購入予定していたプラスチック製品等が購入できないまたは高騰したために見送ったため。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Absence of ULK1 decreases AMPK activity in the kidney, leading to chronic kidney disease progression2023
Author(s)
Tomoki Yanagi, Hiroaki Kikuchi, Koichiro Susa, Naohiro Takahashi, Hiroki Bamba, Takefumi Suzuki, Yuta Nakano, Tamami Fujiki, Yutaro Mori, Fumiaki Ando, Shintaro Mandai, Takayasu Mori, Koh Takeuchi, Shinya Honda, Satoru Torii, Shigeomi Shimizu, Tatemitsu Rai, Shinichi Uchida, Eisei Sohara
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Journal Title
Genes Cells
Volume: 28
Pages: 5-14
DOI
Peer Reviewed / Open Access