2023 Fiscal Year Research-status Report
Study of the role of MID1 in tauopathies and its application as a therapeutic target
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22K07370
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
柳沢 大治郎 滋賀医科大学, 神経難病研究センター, 准教授 (50581112)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | MID1 / タウ / タウオパチー |
Outline of Annual Research Achievements |
MID1による病的タウ形成の抑制作用を検証するため、ヒトMID1を恒常的に安定発現するHEK293T細胞株に、タウ(0N3Rまたは0N4R)およびそれらの変異体(P301L)をトランスフェクションし、病的タウの特徴である異常なリン酸化(pThr181、pSer202/Thr205、pThr212/Ser214、pThr231)の増減を解析した。 以前の解析では、遺伝的背景が異なる2系統のrTg4510マウス(C57BL/6J x FVB/NJ F1またはFVB/NJ x C57BL/6J F1)間でタウ病理の形成量に差があり、その原因のひとつがMid1の発現差にあることを示した。タウ病理の形成量の差が生じるより詳細なメカニズムを探るため、RNA-seq解析を実施した。遺伝的背景に潜む因子を探るため、を野生型マウス(C57BL/6J x FVB/NJ F1)と野生型マウス(FVB/NJ x C57BL/6J F1)の比較を行なった。さらに、タウ病理形成の最初期である3か月齢のrTg4510マウス(C57BL/6J x FVB/NJ F1)とrTg4510マウス(FVB/NJ x C57BL/6J F1)を比較することで、タウ病理形成のトリガーとなる因子の探索に挑戦した。その結果、野生型マウスでの比較でも、rTg4510マウスの比較でも、酸化的リン酸化や呼吸鎖に関わる遺伝子群の変動がエンリッチされており、ミトコンドリアの機能変化がタウ病理の形成に大きく関わっていることが示唆された。さらに、FVB/NJ x C57BL/6J F1を遺伝的背景に持つマウスでは、X染色体上の特定の領域に存在する遺伝子群(Mid1を含まれる)の発現量が有意に減少していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MID1の発現抑制によって病的タウの特徴である異常なリン酸化が増加することを示したが、タウ0N4R-P301L安定発現細胞株にMID1をトランスフェクトしても異常なリン酸化の抑制は認められなかった。次いで、MID1を恒常的安定発現するHEK293T細胞株を作製し、タウ(0N3Rまたは0N4R)およびそれらの変異体(P301L)をトランスフェクションしたが、異常なリン酸化の抑制は認められなかった。以上の結果から、MID1のタウ病理形成における機能は非常に弱いことが示唆された。そこで、タウ病理の形成量の差が生じるより詳細なメカニズムを探るため、新たにRNA-seqを実施した。研究の推進力となることが期待される非常に有意義な結果が得られており、さらなる解析と検証を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
MID1のタウ病理形成における機能解析を継続するとともに、新しく見つかった遺伝子群の中で、ミトコンドリア機能や神経細胞で働く遺伝子に着目して、それらのタウ病理形成における役割を解析する。具体的には、まず、実験1タウの存在下・非存在下における遺伝子Aの発現抑制が細胞機能に及ぼす影響を解析することで、遺伝子Aとタウの生理的および病理学的相互作用を明らかにする。酸化的リン酸化や呼吸鎖に関わる遺伝子群の変動がエンリッチされていたことから、ミトコンドリアの形態と局在、品質管理機構であるマイトファジー、エネルギー代謝経路(基礎呼吸、ATP産生、プロトンリーク、最大呼吸)や、酸化ストレスや小胞体ストレス、アポトーシス誘導剤を与えたときの細胞死の変化を解析する。それらの条件において変動するシグナル伝達経路を同定する。実験2タウ遺伝子改変マウスの脳(大脳皮質、海馬)に遺伝子AをAAVベクターを用いて遺伝子導入し、タウ病理の形成が抑制されるかを検証する、網羅的遺伝子発現解析を実施し、遺伝子Aの下流で機能する分子・シグナル伝達経路を明らかにするとともに、実験1で得られた結果との整合性を評価する。
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Causes of Carryover |
物品の在庫調整や節約により次年度使用額が生じた。 最終年度は適切な使用を心がけて計画的に使用する予定である
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Research Products
(8 results)