2022 Fiscal Year Research-status Report
Disease-modeling and neuronal construction using nigro-striatal assembloid
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22K07382
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
西村 周泰 同志社大学, 脳科学研究科, 准教授 (90527889)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ヒトiPS細胞 / 脳オルガノイド / パーキンソン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病(PD)は、黒質から線条体に投射するドパミン神経の選択的な脱落・変性によって引き起こされる神経変性疾患である。PDの病態を理解するには、ヒト脳が有する神経回路および神経機能を持ち、かつ病態における脳機能破綻を再現できる高度に組織化されたヒト脳モデルを用いた解析が有用であると考えられる。本研究課題では、多領域性を持つ脳オルガノイドを作製して以下の研究に取り組む。①ヒトiPS細胞を用いて、多領域性を持つ線条体-黒質オルガノイドを作製する。②黒質-線条体オルガノイドを用いて、領域間の神経回路網形成過程を再現する。③黒質-線条体オルガノイドが持つ多領域性を利用して、PDで見られるα-シヌクレインの脳内伝播を再現し、PD病態を抑制する介入法の研究へ発展させる。 この目的のもと、本年度は「①ヒトiPS細胞を用いて、多領域性を持つ線条体-黒質オルガノイドを作製する。」を重点的に実施した。研究計画に基づき、ヒトiPS細胞から線条体および黒質のニューロスフェア作製の条件検討がほぼ完了した。またパーキンソン病の病態再現研究の一環として、CRISPR/Cas9を用いてSNCAノックアウトヒトiPS細胞も樹立し、原著論文として発表した(Inoue et al., Biol. Pharm. Bull., 2023)。さらにはpiggyBacシステムを用いてSNCA強制発現ヒトiPS細胞の樹立も行い、その細胞の特性解析を進めている。一方で神経機能解析法として、in vitroカルシウムイメージングによる神経活動の記録法を立ち上げ、作製した神経オルガノイドの形態的解析および機能的解析法を揃えつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに確立した神経誘導法を応用し、ヒトiPS細胞から線条体オルガノイドと中脳オルガノイドの誘導条件の至適化および両者の融合に向けたサイズの調整等の条件検討が概ね完了した。またSNCAノックアウトiPS細胞およびSNCA強制発現iPS細胞の作製も完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の進捗をもとに多領域脳オルガノイドの作製法の至適化とシヌクレイノパチーの病態再現研究を進めていく。またそれらの解析系の至適化を進めていく。
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Research Products
(12 results)