2023 Fiscal Year Research-status Report
Mechanisms of Tau oligomer formation by autophagy dysfunction.
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22K07392
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
濱野 忠則 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (40334817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白藤 法道 福井大学, 学術研究院医学系部門, 特別研究員 (40529319)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | タウ / アルツハイマー病 / オートファジー / タウオリゴマー / LC3 / p62 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病(AD)における神経細胞死はタウ蛋白の高度のリン酸化・オリゴマー形成により促進される。またCasepase3によりC末端が切断されたタウは重合形成しやすい。タウオリゴマーは神経原線維変化(NFT)より細胞毒性が強い。タウの分解経路として、ライソゾーム・オートファジー経路が関与することが知られているが、タウオリゴマーとの関連性は明らかではない。AD剖検脳でのオートファジー空胞とタウオリゴマー・caspase切断タウとの共存につき神経病理学的に解析し、相互作用を検討するとともに、TET-OFF誘導系を導入し、野生型タウを発現する神経系細胞モデルを用いてオートファジーの破綻がタウオリゴマー形成を促進する機構につき詳細に検討した。同様に、オートファジー誘導物質によるタウオリゴマー形成促進機構についても検討した。AD剖検脳を用いた検討では、オートファジーのマーカーであるLC3がウエスタンブロット(WB)法にて軽度増加していた。またADニューロンでは、LC3とタウオリゴマー特異的抗体であるTOC1の共存が免疫組織化学的検討により認められた。さらに、別のオートファジーのマーカーであるP62とTOC1との共存も認められた。抗リン酸化タウ抗体PHF-1による染色性が軽度のニューロンでは、LC3との共存が認められたものの、PHF-1の染色性が高度なニューロンでは、LC3との共存は認めなかった。さらにTET-OFF誘導系を導入し野生型タウ(4R0N)を発現する神経系細胞モデルを用いた検討では、オートファジーを阻害する薬剤(クロロキン)ではオリゴマータウの蓄積が増加し、オートファジーを促進すると考えられる薬剤(LiCl, スタチン、Syk阻害薬)ではリン酸化タウ、ならびにオリゴマータウが減少していた。以上の結果より、オリゴマータウはオートファジーで分解される可能性が強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AD剖検脳を用いた検討により、タウオリゴマーとオートファジーのマーカーであるLC3, P62との共存を明らかに示すことができた。また免疫沈降法を用いた検討でもLC3, P62とオリゴマータウの共存が明らかとなった。また野生型タウを発現する神経系細胞モデルを用いた検討により、オートファジー阻害薬(クロロキン)がオリゴマータウを増加させ、オートファジー促進薬(LiCl, スタチン、Syk阻害薬)がオリゴマータウを減少させることを証明できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は野生型マウス、およびタウマウスモデルを用いて、オートファジーを促進させる薬剤がオリゴマータウを減少させる効果があるのかをin vivoの系を用いて検討する。また、剖検脳を用いた検討で、オートファジーの破綻で増加するとされるルビコンに対する免疫染色も追加検討する。
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Research Products
(31 results)