2022 Fiscal Year Research-status Report
小血管の老化から解明するトランスサイレチンアミロイドーシスの病態
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22K07400
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三隅 洋平 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (80625781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 隼也 熊本大学, 病院, 助教 (00880080)
植田 光晴 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (60452885)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | トランスサイレチン / 血管老化 / アミロイドーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト変異型トランスサイレチンを産生するトランスジェニックマウスおよびコントロールマウスに対してトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者の各種臓器剖検組織サンプルより抽出したアミロイド線維を皮下投与し、皮下組織血管へのトランスサイレチンアミロイド線維の沈着量と血管構造変化(内膜の肥厚、内弾性板断裂、血管平滑筋細胞の減少)との関連、および細胞老化との関連性について経時的に解析した。 トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者の各種臓器の血管組織をレーザーマイクロダイセクション法により切り出し、LC/MS/MS解析により、アミロイド沈着に関連する血管障害因子の探索を行い、アミロイド線維が沈着した血管に共通して認められる蛋白質プロファイルを同定した。 老化誘導細胞/非老化誘導細胞に対して全長トランスサイレチンおよび断片化トランスサイレチンよりin vitroで作成したアミロイド線維を加え、経時的な細胞へのトランスサイレチン凝集体およびアミロイド沈着量を、コンゴ・レッド染色、共焦点顕微鏡、透過型電子顕微鏡により評価を行い、また細胞老化による細胞形態の変化についての解析を行った。 トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーおよび老人性全身性アミロイドーシス患者より、同意を得て血清、血漿および脳脊髄液サンプルを収集し、血管障害のバイオマーカーの探索を行った。 トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者における血管機能障害と関連した各種生理機能検査のデータ収集・解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体を用いた病理学的解析およびin Vitroおよびの実験系においてトランスサイレチンアミロイド沈着血管の障害と細胞老化の関連性を解析するための各種手法が確立し、実験成果がえられており概ね計画通りに進捗している。 ヒト変異型トランスサイレチンを産生するトランスジェニックマウスの皮下血管の老化については安定的に老化誘導ができるように更に方法の改善点についての検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーおよび老人性全身性アミロイドーシス患者より患者において、小血管障害のバイオマーカーの測定項目の拡充とともに、生体血管機能障害評価項目の追加検査を行い、臨床的重症度の各種パラメーターとの関連を詳細に検討する。
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Causes of Carryover |
ヒト変異型トランスサイレチンを産生するトランスジェニックマウスの皮下血管の老化については条件検討段階であるため次年度使用額が生じた。条件検討結果をもとに安定的に老化誘導ができる実験系をもちいて、令和5年度に本実験を実施する。
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