2023 Fiscal Year Research-status Report
NASH肝線維化進展におけるRAGEの役割解明とNASH肝線維化マーカー開発
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22K07445
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
小野 正文 香川大学, 医学部, 寄附講座教員 (70304681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 丈二 香川大学, 医学部, 助教 (00596075)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | NASH / 肝線維化 / RAGE / 線維化マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
NASH患者の血清中AGEは上昇し、肝臓ではRAGEが高発現しているなど、AGE-RAGE系はNASHの病態進展に重要な役割を果たしていると考えられており、我々は、RAGEノックアウトマウス(RAGE KO)を用いてメチオニン・コリン欠乏食(MCD)誘発NASH肝線維化モデルにて検討を行ったところ、コントロールマウス(C57BL/6j)と比べRAGE KOでは肝線維化進展およびTGF-β1, CTGFなどの肝線維化マーカーが著明に抑制されることが明らかとなった。さらに、肝線維化進展に重要である肝星細胞に発現しているRAGEのcytoplasmic binding partnerであるmDia1の発現亢進がRAGEとともに肝線維化進展に重要な働きをしていることが明らかとなった。さらに、その作用はErk1/2とAktを介した作用メカニズムであることも今回明らかとなった。 膜貫通型RAGEおよびsoluble RAGEの発現亢進と肝線維化進展の関連について NASHマウスモデルにおける血中soluble RAGEの発現を測定したところ、予想通りに肝線維化マーカー(M2BPGi、Col1a1)や肝組織など肝線維化進展に伴って血中濃度が増加していることが明らかとなった。このことより、soluble RAGEはNASHにおける肝線維化マーカーの候補になりえる可能性が出てきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」に記載したように、実験結果が順調に出ており「NASH肝線維化進展におけるRAGEの発現増加のメカニズム解明」について、現在論文作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは当初の計画通りに研究が進んでおり、計画通りに進めていく予定である。今後もマウスNASHモデルを使用したメカニズムの解明を進めるとともに、NASH患者の血清、肝組織診断を用いて患者においても同様なことが起こっていることを検証することも進めていく予定である。
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Research Products
(9 results)