2023 Fiscal Year Research-status Report
腸管炎症に伴う腸内環境変化による1型糖尿病発症の解明と予防的免疫代謝療法の研究
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22K07471
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
安田 尚史 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (50403233)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 1型糖尿病 / 腸管免疫 / DSS / 免疫バランス / 発症抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1型糖尿病(T1D)発症予防を目的として、腸管炎症による腸内環境変化の誘導を契機としたT1D発症メカニズムの解明と、この腸炎誘導T1D発症モデル において樹状細胞(DC)等の免疫細胞の代謝制御を通じた「免疫代謝療法」による予防的治療への展開を目指したものである。 1) T1D発症抵抗性マウスでの腸炎モデルによるT1D発症検討 NOD遺伝子を有するもT1D発症抵抗性マウス(雄性NODマウス、NOD-lprマウス、Ins1欠損NODマウス)に対して、腸管感染を模倣するDSS投与による腸炎モデルの実験系を用いて腸管バリア破綻や腸管透過性亢進などを惹起することでT1D発症を誘導できるかどうかを検討した。すなわち、3%DSSを各8週齢のT1D発症抵抗性マウスに継続的に7日間飲水投与する投与群と非投与群で検討した。各T1D発症抵抗性マウスでフローサイトメトリーによる表面分子や細胞内分子による細胞分画の検討(活性化マーカーCD44, CD69やメモリーマーカーCD44hiCD62Lhiなど)した結果、活性化マーカーの上昇を認め、雄性NODマウスやIns1欠損NODマウスでは発症するマウスを認めたが、NOD-lprマウスでは発症を認めなかった。 2) NOD-lprマウスでのhomeostatic proliferationの誘導による発症誘導の試み NOD-lprマウスは全く膵島炎や糖尿病発症を呈さないマウスであるが、DSS誘導腸炎により膵島炎の誘導が明らかになった。そこでさらにサイクロフォスファミド(CY)投与によるhomeostatic proliferationを介した免疫バランスの偏位により、一部のマウスで糖尿病発症まで誘導できることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特にありません。
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Strategy for Future Research Activity |
NOD-lprマウスは全く膵島炎や糖尿病発症を呈さないマウスであるが、DSS誘導腸炎により膵島炎の誘導が明らかになり、さらにサイクロフォスファミド(CY)投与によるhomeostatic proliferationを介した免疫バランスの偏位を惹起することで、一部のマウスで糖尿病発症まで誘導できることを見出した。しかし、全マウスが発症するわけではないため、糖尿病発症マウスの糞便移植を実施することでさらに発症誘導が可能かどうかを検討し、発症メカニズムの解明を進めていく予定である。
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[Journal Article] 緩徐進行1型糖尿病の診断基準(2023)―1型糖尿病における新病態の探索的検討委員会報告―2023
Author(s)
島田朗, 川﨑英二, 阿比留教生, 粟田卓也, 及川洋一, 大澤春彦, 梶尾裕, 小澤純二, 高橋和眞, 中條大輔, 能宗伸輔, 福井智康, 三浦順之助, 安田和基, 安田尚史, 今川彰久, 池上博司
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Journal Title
糖尿病
Volume: 66
Pages: 587-591
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] 緩徐進行1 型糖尿病疑い例への治療介入に関するステートメント 1 型糖尿病における新病態の探索的検討委員会2023
Author(s)
島田朗, 川﨑英二, 阿比留教生, 粟田卓也, 及川洋一, 大澤春彦, 梶尾裕, 小澤純二, 高橋和眞, 中條大輔, 能宗伸輔, 福井智康, 三浦順之助, 安田和基, 安田尚史, 今川彰久, 池上博司
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Journal Title
糖尿病
Volume: 66
Pages: 807-814
Peer Reviewed / Open Access
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