2022 Fiscal Year Research-status Report
毒性ターンAβ42含有エキソソームによるアルツハイマー病早期診断と病態伝搬の解明
Project/Area Number |
22K07499
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
今村 友裕 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 講師 (30725122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 謙一郎 国際医療福祉大学, トランスレーショナルニューロサイエンスセンター, 准教授 (00596687)
大八木 保政 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (30301336)
吉良 潤一 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 教授 (40183305)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / バイオマーカー / エキソソーム / マイクロRNA / 毒性ターンAβ |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子改変ADモデルマウスの末梢血エキソソームを用いて、micro RNA (miR)シークエンスを行うことによって、次世代シークエンスの結果、AD発症前のADモデルマウスと野生型マウスではmiRの発現プロファイルが異なっていた。野生型マウスと比較してADモデルマウスで1つのアップレギュレーションされたmiRと5つのダウンレギュレーションされたmiRを同定した。さらに物忘れ外来における実際のヒトサンプルを用いて、ヒトで同様の変化があるかを検証した。アルツハイマー病(AD)と診断した患者群15名、および健常(HC)および他の神経疾患(OND)の対照群15名から同意を得て血液サンプルを収集し、マウスで同定したmiRを対象にリアルタイムPCRによる定量を行った。AD患者においても同様の変化が確認された。また、アップレギュレーションされていたmiRは、神経心理検査による疾患重症度と関連していた。アップレギュレーションされていたmiRと、最もダウンレギュレーションされていたmiRの比によるAD診断indexを作成し、疾患重症度と比較したところ正の相関が確認された。さらに、カットオフ値による診断の特異度、感度は脳脊髄液中のアミロイドβやリン酸化タウによる診断能力を上回る結果であった。バイオマーカー候補となるmiRを組み合わせたindexは、AD診断に有用であり、今後の認知症診療を大きく変える可能性がある。これらの研究成果は、第63回日本神経学会学術大会、第12回国際医療福祉大学学術大会、第41回日本認知症学会学術集会/第37回日本老年精神医学会[合同開催]で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ADモデルマウスの血清エキソソームから、バイオマーカー候補として同定したマイクロRNAは、AD患者においても同様に変化していることが確認された。さらに、これらのマイクロRNAを用いたバイオマーカーの感度・特異度は、従来より用いられている脳脊髄液中のアミロイドβやリン酸化タウと比較しても遜色がないことが確認された。AD患者群においては、十分な症例数が確保できたが、健常対照群の症例数は予定数よりやや少なくなった。また、マイクロRNA以外のAβ40、Aβ42、毒性ターンAβ、総タウ蛋白(t-tau)、リン酸化タウ蛋白(p-tau)の測定は予定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
AD患者および健常コントロールの症例数をさらに増やしていく予定である。血液中のマイクロRNA以外のAβ40、Aβ42、毒性ターンAβ、総タウ蛋白(t-tau)、リン酸化タウ蛋白(p-tau)などの測定を行い、それらを組み合わせて、AD診断に最も最適なindexを作成する。また、神経心理検査の結果や、頭部MRI画像やSPECT画像などの臨床データの関連を解析を進めて、マイクロRNAによるバイオマーカーが臨床データをどのように反映しているのかを調べて、その意義について明らかにしていく。さらに、培養細胞による実験を行い、AD病理におけるマイクロRNAの役割についての基礎的な研究も展開して予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大によって、アルツハイマー病のサンプル収集がやや遅れ、計画にやや遅れが生じた。また、実験に用いる消耗品の一部が品薄で入手困難になったことなども重なり、次年度使用額が生じた。
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[Presentation] Clinical features and mechanism of LGI4-IgG4-positive inflammatory demyelinating Polyneuropathy2022
Author(s)
Xu Zhang, Jun-ichi Kira, Hidenori Ogata, Ayako Sakoda, Masaki Kobayashi, Kazuo Kitagawa, Yukihiro Namihira, Yusuke Ohya, Tomohiro Imamura, Guzailiayi Maimaitijiang, Ryo Yamasaki, Noriko Isobe, Yuri Nakamura
Organizer
第63回日本神経学会学術大会
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[Presentation] Foot-dorsiflexion power on the dominant hand side is useful to predict multiple sclerosis disability2022
Author(s)
Jun-ichi Kira, Ayako Sakoda, Yoshie Yamato, Yuki Yanagihara, Ban-yu Saitoh, Yasutaka Iwanaga, Kenichiro Yamashita, Guzailiayi Maimaitijiang, Tomohiro Imamura, Xu Zhang, Shozo Tobimatsu, Yuri Nakamura
Organizer
第63回日本神経学会学術大会
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[Presentation] Exosomal GJA1-29k translational isoform is a novel blood biomarker for neuroinflammation in neuromyelitis optica2022
Author(s)
Guzailiayi Maimaitijiang, Jun-ichi Kira, Yuri Nakamura, Mitsuru Watanabe, Ayako Sakoda, Katsuhisa Masaki, Satoshi Nagata, Hiroo Yamaguchi, Ryo Yamasaki, Noriko Isobe, Xu Zhang, Tomohiro Imamura
Organizer
第63回日本神経学会学術大会
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