2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K07508
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
島 さゆり 藤田医科大学, 医学部, 講師 (50725984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 泰彰 藤田医科大学, 医学部, 講師 (00750473)
渡辺 宏久 藤田医科大学, 医学部, 教授 (10378177)
伊藤 瑞規 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50437042)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 尿酸 / イノシン / ATP |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度4月以降、詳細な臨床情報、血液・髄液・画像データを統合的かつ高品質のレベルで収集する「神経変性疾患レジストリシステム」構築に成功し、パーキンソン病や認知症をはじめとする神経変性疾患の登録は、開始4年を経過した現時点で300名を超えるに至った。エネルギーに関連するATP関連物質の網羅的測定やリピドミクス解析を展開するとともに、ゲノム抽出も継続している。またコントロール群の収集体制も整備し、すでに200名を超える健常者の高次機能を 中心とする臨床情報や血液・ゲノムサンプルが蓄積された。2023年度は変性疾患患者・健常コントロールを併せて176名のレジストリ登録が進んだ。今年度は155 検体(血清: PD 45例、年齢と性をマッチさせたコントロール45例、髄液:PD 45例、年齢と性をマッチさせたコントロール20 例) を対象として、液体クロマトグラフ/タンデム質量分析装置 (LC-MS/MS) を用い、IMP、イノシン、ヒポキサンチン、キサンチン、尿酸を測定した。PD患者の血清および髄液中のUA濃度は対照群と比較して有意に低かった(p<0.001)。CSF値と血漿値の比から、UAとイノシンはCSF値が低く、ヒポキサンチンはCSF値が高く、キサンチン値は比較的同程度であった。GLM解析の結果、PDにおけるUA濃度の低下は主にプリン代謝系以外の原因によるものであることを明らかにした。血清および髄液中のヒポキサンチンレベルと髄液中のイノシンレベルの減少は、UAの産生とは無関係に、PDにおけるプリンリサイクル経路の障害を示唆している。現在追加の解析を進め論文投稿予定中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例数も予想以上に集まっており、その解析、検討も終了しており、論文投稿中であるため
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Strategy for Future Research Activity |
現在の進行状況は順調のため、引き続きこのペースで行う予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度内に納品されるはずであった設備が、2023年度内に納品されなかったことと、慎重に使用していたところ、もともとあった設備を使用していたら余剰分がでた。昨年度に引き続き、症例数が予想外に増えており、来年度は旅費や消耗費などが増える予定である。
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