2023 Fiscal Year Research-status Report
Detection of ALS origin with reference to calcium-binding proteins, those generate glial inflammation
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22K07517
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 信太郎 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90312876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 亮 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10467946)
小早川 優子 九州大学, 大学病院, 助教 (40733788)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / ミクログリア / カルレチニン / 培養実験 / カルシウム結合蛋白 / 診断マーカー / 脳脊髄液 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 昨年度の実施状況報告書、「8. 今後の研究の推進方策」に記載した次の実験を行った。マウスミクログリア (6-3 cell clone)の培地に1、10、100 nM各濃度のニューロフィラメントL蛋白を添加し、day1-3の各時点においてミクログリアの生存を確認後、ELISA法にて培養液中のCXCL1, GM-CSF, IFN-γ, IL-1b, IL-10, IL-12, IL-13, IL-17A, IL-2, IL-4, IL-5, IL-6, IL-9, CCL2, CCL3, CCL4, TNF-aを測定、コントロール群 (培養液のみ添加)と比較した。この結果、全dayにおいて有意な増加を示すケモカイン・サイトカインはなかった。 2) 研究計画書に基づきALS患者脳脊髄液中のカルレチニン (CR)、カルビンディン (CB)、パルブアルブミン (PV)、ニューロフィラメントH (NfH)各濃度をELISA法で測定した。この結果CRは全例で測定感度以下、PVはALSで有意に減少(ALS: 2.17±0.03 pg/mL, 非ALS神経疾患: 3.27±0.80pg/mL, p<0.001)、CBは変化なし (ALS: 1843.6±2378.1pg/mL, 非ALS神経疾患: 1261.8±641.4 pg/mL, p=0.41)、NfHは変化なし(ALS: 7.76±1.83 ng/mL, 非ALS神経疾患: 5.75±3.38 ng/mL, p=0.08)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)今年度の研究成果と昨年度の結果により、ALS脳脊髄液で増加する炎症性ケモカイン・サイトカインは軸索変性に続発した非特異的変化ではなく、軸索蛋白の中でもカルレチニン特異的なミクログリアに対する炎症惹起性が存在し、それによる増加である可能性を新たに示せた。 2)後にALSと確定診断に至った症例の初診時の脳脊髄液において、パルブアルブミン濃度が有意に低下していることを見出した。この結果は、同蛋白が本疾患の早期診断マーカーとなる可能性を示唆する画期的な成果と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に基づき、2024年度はマウス脳室内にカルシウム結合蛋白を投与した結果生じる臨床表現系と病理変化の解析、ALS動物モデル髄腔内に抗カルシウム蛋白抗体を投与して生じる臨床病理学的変化を解析し、治療効果を有するか確認する。
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Causes of Carryover |
理由:マウス脳室内へのカルシウム結合蛋白投与実験に関して、エンドトキシンフリー化対応に予想外に時間がかかったため、2024年度にずらして実験を行うことにした。このため2023年度としてはその分の未使用額が生じた。 使用計画:上記の脳室内投与実験のためのマウス購入、投与ペプチドや手術器具の購入、エンドトキシンフリー化処置、免疫染色の為の試薬や抗体の購入のために予算残額を全て利用する。
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