2022 Fiscal Year Research-status Report
超高速超音波イメージングを用いた血流解析による頚動脈プラーク不安定性評価
Project/Area Number |
22K07522
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
斎藤 こずえ 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (80398429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 都始子 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (00208802)
長谷川 英之 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (00344698)
長岡 亮 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (60781648)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 頚動脈プラーク / 動脈硬化 / 超高速超音波イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
頚動脈において動脈硬化の進展により形成されたプラークが将来脳梗塞を発症しうる危険性、すなわち頚動脈プラークの不安定性を評価することは脳梗塞発症予防に非常に重要であり、我々は超高速超音波イメージングを用いて頚動脈の血管壁や血流の動態解析の手法を確立し、頚動脈プラークの不安定評価を行うことを目的し研究を開始した。 研究期間前半(令和4-5年度)は頚動脈超高速イメージングデータと臨床データの収集を中心に行う予定で、初年度(令和4年度)の研究を開始した。既に研究の一部は倫理委員会の承認を得て開始されていたが、造影超音波所見との比較など本研究で新たに解析する項目につき倫理委員会で計画変更を行った。臨床において頚動脈プラークを有する患者に、既存の超音波診断装置で超音波データ収集を行う際に超高速超音波イメージングを用いて頸動脈断層像を取得した。超高速超音波イメージングデータは共同研究先である富山大学で画像解析が開始され、一部の症例で超高速超音波イメージングを用いて(1)血流の可視化及び血管壁ずり応力の評価、(2)プラーク形態評価として潰瘍やプラーク内新生血管が評価できる可能性を見出した。今後得られた成果を海外学会にて公表する予定である。 現在、並行して患者の脳心血管イベントなどの臨床データを収集しており、症例の蓄積とともに今後両者の比較検討する予定である。なお、初年度得られた画像データをもとに共同研究先である富山大学で解析手法の改良がおこなわれ、成果報告がなされており医用工学の領域でも成果を得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の倫理委員会での承認などは当初の計画通りに実行でき、データ収集計画も立案し実行予定であったが、COVID-19の流行が収束せず、機器の調整など共同研究先との調整のための移動が難しかったことや、臨床における患者を登録が困難で症例登録が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は研究期間前半の後期にあたり、予定症例数を登録し画像及び臨床データ収集を進める予定である。 上述の通り症例登録が予定よりも遅れているが、今後COVID-19の流行の収束が予想されており症例登録が進むと予想している。また、初年度症例登録が少数にとどまったためマスデータの解析も予定通り行いつつ、超音波臨床の共同研究者からの助言と画像解析手法の改良がおこなわれた。これにより計画当初に比べより詳細なデータ解析が可能となり、新生血管内の血流速度評価の試みや、他の超音波モダリティとの比較なども追加することで、より多くの成果が得られる見込みである。 また、超高速超音波イメージング取得例で後日内膜剥離術やステント留置術など外科介入がなされた症例については病理像が取得できれば比較し病理学的な検証を行うなど研究機関後半の頚動脈プラーク不安定性評価法を確立するための準備を行う。
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Causes of Carryover |
2022年度はCOVID-19の影響もあり患者登録が進まず、登録に関わる費用が2023年度に多く必要であると考えられたことなどから今年度残額を使用して症例登録を進める予定である。
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