2023 Fiscal Year Research-status Report
HTLV-1関連脊髄症の新規治療薬スクリーニングに向けた感染モデルの構築と応用
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22K07526
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
竹之内 徳博 関西医科大学, 医学部, 准教授 (20533235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 伸介 関西医科大学, 医学部, 助教 (00814972)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | HTLV-1 / HAM / 樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
23年度は22年度に引き続き、樹状細胞を介したHTLV-1感染系の樹立を試みた。前年度の報告の通り、新鮮血より抽出されたヒト末梢血単球をサイトカインによって樹立された樹状細胞を用いた系では、作製されたHTLV-1感染樹状細胞のHTLV-1感染率はバラバラであり、総じて数%程度と低かったため、本研究の次のステップであるHTLV-1感染樹状細胞から非感染細胞へのHTLV-1の感染率はさらに不安定であった。よって、より感染率が高く安定したHTLV-1感染樹状細胞の作製の必要性に迫られたため、ヒト末梢血単球に換えてCell Lineを用いることとした。サイトカインによって樹状細胞に分化する数種類のCell Lineを用いて系の再構築を行ったところ、HTLV-1感染樹状細胞はより安定的に作製することが可能となった。その後、作製されたCell Line由来のHTLV-1感染樹状細胞から非感染細胞へのHTLV-1感染実験を行った結果、ヒト末梢血単球を用いた系よりもより安定した感染率を確保出来た。しかしながら、想定よりも感染力が強く、HTLV-1感染樹状細胞を作製する段階で用いたオリジナルのHTLV-1産生細胞株の混入の可能性が示唆された。HTLV-1産生細胞株の混入による感染率の上昇であれば、本研究の最終段階であるHTLV-1感染阻止実験の評価が困難になるため、現在は混入の可能性を排除するため実験系の改良を行っている所である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示す通り、本研究の最初の目的であるHTLV-1感染抗原提示細胞の樹立は安定的に出来ている。また、研究の中盤にあたるHTLV-1感染樹状細胞から非感染細胞へのHTLV-1の感染も不安定ながら確認できている。よって、(2)のおおむね順調に進展しているを選んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に示す通り、今年度の前半は、現在までに樹立出来ているHTLV-1感染樹状細胞から非感染細へHTLV-1の感染系をより安定化する予定である。具体的にはCell Lineを用いた系をメインとして、実験系へのHTLV-1産生細胞株の混入の可能性を排除する。一方でよりvivoに近い系である、新鮮血より抽出されたヒト末梢血単球を用いた系のHTLV-1感染率の向上も試みる。いずれかの系で、感染率が安定した段階で、本研究の最終段階であるHTLV-1感染阻止実験を行う。
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