2023 Fiscal Year Research-status Report
病態機序に基づいた副腎白質ジストロフィーの臨床病型を規定する因子の探索研究
Project/Area Number |
22K07533
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松川 敬志 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80755760)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 副腎白質ジストロフィー / Abcd1 / Acbd5 |
Outline of Annual Research Achievements |
副腎白質ジストロフィーは、同一家系内でも多彩な臨床病型を示すのが特徴である。その中で、小児、思春期、成人大脳型は大脳白質の炎症性脱髄の急速な進行するため、予後不良である。 大脳型に対しては、発症早期の造血幹細胞移植が、症状の進行停止に有効である。多彩な臨床病型を規定する因子を同定することができれば、臨床上有用である。 Exome data解析として、極長鎖飽和脂肪酸アシルCoAの代謝に関わる遺伝子群を表現型修飾因子の候補遺伝子群として、exome dataの解析を行っている。極長鎖脂肪酸アシルCoAの代謝に関わる遺伝子群のvariantsを抽出し、Loss of functionを来す変異、既知の遺伝子変異の抽出、また、コントロールデータベースに基づいたvariantsの頻度、variantsの機能予測アルゴリズムのスコアを考慮してvariantの抽出を行っている。さらに副腎白質ジストロフィー症例のDNAを収集している。 また、造血幹細胞移植前後の副腎白質ジストロフィー症例の神経所見、画像、生理検査のデータの蓄積がなされている。また、移植前だけでなく、移植後のDNAの採取も行っており、移植後のキメリズム解析も検討し、移植後のキメリズムの違いが、移植後の神経症状に影響を与えるかの検討も行っている。 モデルマウスの解析として、Abcd1ノックアウトマウス(Abcd1-/Y)に、Abcd1と同様にペルオキシソーム膜上で機能し、極長鎖脂肪酸CoAのペルオキシソームへの輸送に関わる遺伝子Acbd5ノックアウトマウスを、IVF-ETの技術を用いて作出し、Abcd1 ノックアウトマウス(Abcd1-/Y)とのかけ合わせを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Exome解析を順調に進めており、副腎白質ジストロフィーのDNA検体も増えている。 また、マウスのかけ合わせも順調に進んでいる。 極長鎖脂肪酸CoAのペルオキシソームへの輸送に関わる遺伝子Acbd5ノックアウトマウスとAbcd1 ノックアウトマウス(Abcd1-/Y)をかけ合わせたマウスで、Abcd1ノックアウトマウスとの表現型の違いを観察する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、極長鎖飽和脂肪酸アシルCoAの代謝に関わる遺伝子群を表現型修飾因子の候補遺伝子群として、exome dataのさらなる解析を行っていく。
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[Journal Article] Adrenomyeloneuropathy with Later Development of Cerebral Form Caused by a Hemizygous Splice-site Variant in ABCD12024
Author(s)
Takegami N, Matsukawa T, Hamada M, Tanifuji S, Tamura T, Yamaguchi-Takegami N, Ishiura H, Mitsui J, Sakuishi K, Tsuji S, Toda T.
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Journal Title
Intern Med.
Volume: 63
Pages: 999-1004.
DOI
Peer Reviewed
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