2023 Fiscal Year Research-status Report
海馬アストロサイトに着目した電気けいれん療法の作用機序解明
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22K07599
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
朴 秀賢 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (60455665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 実 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (60304440)
梶谷 直人 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特任助教 (60755742)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | うつ病 / 電気けいれん療法 / アストロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
うつ病様症状が電気けいれん療法の動物モデルである電気刺激(ECS)により回復するモデルマウスを確立し、そのモデルマウスの海馬からアストロサイトを高純度で分離する技術を確立し、この分離したアストロサイトを用いてRNA-Seqを行うことにより、アストロサイトにおいてうつ病モデルマウスで発現が増加してECSで発現が減少し、かつ、アストロサイトで豊富に発現している遺伝子としてセリン/スレオニンキナーゼであるSGK1を同定し、論文化した。SGK1はうつ病へのECSの治療効果に関与している可能性が高いと考えられ、今後、その機能的役割を更に検討していく予定である。 また、ECSの治療効果におけるアストロサイトの役割を検討すべく、ジフテリア毒素とそのヒト受容体・HB-EGFを用いたマウス海馬におけるアストロサイトの選択的除去の実験系の構築を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アストロサイトにおいて電気けいれん療法の治療効果に関与しうる分子としてSGK1を同定したところまでは順調であるが、海馬アストロサイトの選択的除去の実験系構築がなかなかうまくいっていない状況である。また、脳透明化や3Dイメージング技術の検討も残念ながら進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、海馬アストロサイトの選択的除去の実験系を確立し、ECSの作用機序におけるアストロサイトの役割を明らかにする予定である。また、ECSの作用機序に強く関与する可能性のあるSGK1の機能解析を、in vivoとin vitroの両面で進めていく予定である。脳透明化や3Dイメージング技術については、技術の発展をフォローしながら、検討を再開する予定である。
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