2022 Fiscal Year Research-status Report
児童思春期の自殺企図リスクとテロメア長を関連付ける分子メカニズムの解明
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22K07619
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
須田 顕 横浜市立大学, 医学部, 講師 (60644656)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自殺 / 児童 / 遺伝子 / 遺伝子多型 / テロメア / エピゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもの抑うつ状態は子どもの健康上のリスクとされている。さらに、子供の抑うつ状態には精神病体験が併存することがあり、これが自殺のリスクとも関連することが我々の調査の結果より示された。そこで、本研究では幻聴体験を中心とする精神病体験の多様性に関する遺伝的子多型とストレス応答などの生物学的背景の関係を明らかにすることを目的とする。本研究によって臨床家が着目すべきリスクの高い患者の生物学的背景が明らかになることで自殺予防に資する臨床的関与が可能になることが期待される。 本年度はすでに長い臨床の中で構築された、医療連携のネットワークを活用し、協力機関からサンプルの収集を開始した。具体的には、横浜市立大学附属病院児童精神科・精神科・救命救急科・関連病院を受診した若年者(13~30歳)で、抑うつ症状のスクリーニングツールPHQ-9で中等度以上(評価点14点以上)のうつ状態に該当し、自殺念慮をもつ、あるいは自殺未遂歴のある者をを対象とし、そのなかで研究同意を得られた者から、末梢血を採取し末梢白血球由来DNAを収集した。併せて個人情報保護に細心の注意を払いつつ、カルテから臨床情報を収集した。2023年3月末時点でエントリーした症例数は248人(平均年齢14.58歳、最小10歳、最大18歳、男子58名、女子190名)であった。目標症例数は先行研究を参照し500例とし、引き続きサンプルの収集を継続し、一定数の集積が得られたら外部機関に委託し遺伝子解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンプルの収集は当初想定したペースより早く進んでいる。解析は一定数以上の数をまとめて解析を委託したほうがコストが抑えられることから、当面収集に専念して次年度末以降に行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度中に目標症例数500の収集を完了し、外部機関への解析委託する。具体的にはリアルタイムPCR法によりテロメア長を測定、ゲノムワイドメチル化解析を行う。すでに我々が保有する年齢をマッチさせた健常群のメチル化データを用いて関連解析(MWAS)を行う。 また、得られた全ゲノムメチル化データからテロメア短縮と関連するCpGサイトでクラスターを形成している遺伝子プロモーター領域を同定する。その同定された複数の遺伝子が何らかのパスウェイに偏位しているかを明らかにするためKEGGパスウェイ解析を行い、テロメア短縮の生物学的機序をゲノムレベルから明らかにする。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた解析機器等は別途入手し経費が削減された。一方でサンプルは想定以上のペースで収集が進んでおり、可能な限り解析委託費として確保しておきたいと考えている。また、解析は一定数以上の数をまとめて解析を委託したほうがコストが抑えられることから、当面収集に専念し、次年度末以降に行うことにした。
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