2022 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive research toward reduction of non-cancer mortality in elderly patients receiving radiotherapy for cancer
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22K07637
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松尾 幸憲 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80456897)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 脳転移 / 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究予定を変更し、令和4年度は肺癌脳転移症例の予後予測に関する検討を行った。肺癌脳転移症例の予後予測スコアとしてLung-mol GPAシステムが用いられることが多いが、日本人コホートにおける妥当性の評価はこれまでなされていない。そこで、所属施設において肺癌脳転移に対する放射線治療を行った319例を対象として評価を行った。まず、同システムを構成する因子(年齢、Karnofsky Performance Status (KPS)、頭蓋外病変の有無、脳転移の個数、および遺伝子変異の有無)について、生存期間との関連を単変量解析にて評価した。その結果、これらの因子はいずれも予後と有意な相関を示すことが分かった。次に、各因子の影響の強さに関して評価を行った。KPSの一部で不整合が見られたものの、その他の因子に関してはlung-mol GPAシステムにおける配点と整合するものであった。Lung-mol GPAシステムによる予後予測と実際の生存期間に関しては、一部の症例(腺癌・非腺癌のスコア0-1.0点群と非腺癌のスコア2.5-3.0点群)で不整合はあったが、概ね合致していた。さらに、2回以上の脳放射線治療をうけた65例を対象に、2回目の治療時におけるLung-mol GPAシステムの妥当性を評価したところ、完全ではないものの予後の参考となることが示された。本研究は所属施設の倫理委員会の承認を得て行われた。本研究の成果は英文学術誌に投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度途中で別施設への異動が決まり、当初予定をしていた実態把握研究に関して、そのプロトコール立案および倫理委員会への申請が困難な状況となり、研究計画の変更を余儀なくされた。
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Strategy for Future Research Activity |
肺癌脳転移症例の予後予測に関する検討の成果を、英文学術誌に投稿し採択を目指す。新規の所属施設において実施可能な内容を検討し、高齢放射線治療患者における非がん死亡に関する研究を進めていく。具体的には血液透析中の放射線治療症例において、治療中の有害事象およびその後の生存期間について検討するとともに、放射線治療後の腎機能の推移を評価することを検討中である。
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Causes of Carryover |
年度途中で別施設への異動が決まり、当初予定をしていた実態把握研究が実施できなかったため。代わりに実施した肺癌脳転移症例の予後予測に関する検討の成果を、英文学術誌に投稿し採択を目指すため、これにかかる投稿料、英文校正料を支出する予定である。また、新規の所属施設において実施可能な内容を検討し、高齢放射線治療患者における非がん死亡に関する研究に必要な倫理審査料等を支出する予定である。
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