2022 Fiscal Year Research-status Report
4D flow MRIを用いた大動脈解離患者における血管内乱流定量手法の開発
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22K07649
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
高橋 賢一朗 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (10614737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 鉄朗 日本医科大学, 医学部, 講師 (00747826)
嶺 貴彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (00631293)
横山 太郎 日本医科大学, 医学部, 助教 (20786272) [Withdrawn]
坂本 俊一郎 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50398872)
藤井 正大 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60297926)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 偽腔内圧の相対圧導出に着手 / ミシガン大学との共同研究 / 50人以上の患者リクルート / 4D flow MRI撮像データの蓄積 |
Outline of Annual Research Achievements |
大動脈解離患者における乱流の定量手法の開発に向け、2施設での基礎実験と初期臨床検討を行い、汎用性がある乱流定量手法の開発を行うことを目的として研究を開始した。当初は大動脈解離の3DプリンターモデルとMRI対応のポンプを組み合わせたファントムモデルを作成し、乱流の流体定量値を模索する方針としていたが、ファントムモデル作成のコストが想定より高くなり、研究費用内で成果を得ることが現実的ではないため、研究の方針を変更することとした。臨床研究を軸とし、大動脈解離患者から抽出した血流データを基に、乱流の定量手法を考案し、遠隔期予後との関連を検証していく方針とした。 大動脈解離患者のリクルートを2施設で行い合計50人以上の大動脈解離患者に4D flow MRIの撮像を行った。大動脈内の真腔および偽腔の血流データを取得した。研究立案当初の目的に準じて海外多施設共同研究内への組み込みや他疾患への応用を目指し、乱流定量手法や遠隔期危険因子の解明に向けて研究手法を模索した。現在ミシガン大学との共同研究に着手し、大動脈解離患者の偽腔血流における血流parameterおよび乱流の視覚評価を行った上で、偽腔内の圧推測(pressure estimation)を行った。さらにミシガン大学のPhDらの協力のもと、実際の患者において経カテーテル的に偽腔内圧の導出を行い、血流測定値および乱流との関連を調査検討する段階に取り掛かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は大動脈解離の3DプリンターモデルとMRI対応のポンプを組み合わせたファントムモデルを作成し、大動脈偽腔内の乱流の流体定量値を模索する方針としていた。大動脈瘤や大動脈二尖弁のモデルに関しては既報が存在しファントムモデル作成が実現可能であるが、大動脈解離モデルに関してはゼロベースからの開発となるため開発業者と連絡を取り合ったところ、ファントムモデルの作成コストが想定より大幅に高額となることが判明し、さらに大動脈解離は患者ごとに多様なバリエーションを呈するため、単一のモデルで得られるシミュレーションデータでは臨床的意義を持つアウトカムを得ることが現実的ではないことがわかった。これに伴い、研究方針を大きく変更することを余儀なくされた。 臨床研究を軸とし、大動脈解離患者から抽出した血流データを基に、乱流の定量手法を考案し、遠隔期予後との関連を検証していく方針として以降、大動脈解離患者のリクルートを2施設で行い関連施設での実臨床における4D flow MRI撮像を進めて十分なデータの蓄積を得た。 その後、大動脈解離に対する4D flow MRI研究の先進施設であるミシガン大学との共同研究に漕ぎ着けることができた。大動脈解離患者における遠隔期偽腔拡大の最もcriticalな測定値は解離偽腔内圧であり、乱流との関連があると推測される。多施設空の患者データを供出した上で、偽腔内圧の導出を行い、血流測定値および乱流との関連を調査検討する段階に取り掛かった。研究過程は着実に遂行できているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今回、研究計画当初に立案したファントムモデルを用いた基礎研究から、実臨床における偽腔内圧の導出を含む臨床研究へと方針を変更した。今後、ミシガン大学との多施設共同研究を経て、当初の目的である乱流定量手法の開発を進め、実臨床でのアウトカムとの関連を検討していく。 課題としては、大動脈解離患者の大動脈偽腔形態は千差万別であり、多くの患者データを集めても臨床研究で構築できるエビデンスには限りがある。既報に加えて新たな知見を付加するためには、やはり流体モデルでの基礎実験が望ましい。今後低コストで実現可能な大動脈解離の3DプリンターモデルとMRI対応のポンプに関して、国内の他施設にも共同研究を要請し、研究手法を模索していく。
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Causes of Carryover |
今年度は大動脈解離の3DプリンターモデルとMRI対応のポンプの作成を見送った。今後低コストで実現可能な大動脈解離の3DプリンターモデルとMRI対応のポンプに関して、国内の他施設にも共同研究を要請し、研究手法を模索していく。
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[Journal Article] Measurement of Turbulent Kinetic Energy in Hypertrophic Cardiomyopathy Using Triple-velocity Encoding 4D Flow MR Imaging2024
Author(s)
Iwata K, Sekine T, Matsuda J, Tacenhi M, Imori Y, Amano Y, Ando T, Obara M, Crelier G, Ogawa M, Takano H, Kumita S.
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Journal Title
Magn Reson Med Sci
Volume: 23
Pages: 39-48
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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