2023 Fiscal Year Research-status Report
セラノスティクスを目的とした放射性標識ソマトスタチンアナログの体内動態の最適化
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22K07677
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
秋澤 宏行 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (90311795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 知也 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (10323403)
宿里 充穗 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (20525571)
尾江 悟 昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (90756107)
水野 雄貴 北海道大学, アイソトープ総合センター, 助教 (90805194)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | セラノスティクス / ソマトスタチン / 放射性医薬品 / 核医学 / アルブミンバインダー / 多価ペプチド / 負電荷 / 放射性代謝物 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射性標識ソマトスタチンアナログはソマトスタチン受容体を発現する腫瘍の画像診断や治療を目的とするペプチドを母体とする放射性医薬品であるが、正常な腎臓への集積の低減と腫瘍への集積の向上が課題となっている。最近の腫瘍集積性の向上を目的として設計されたペプチドでは、腫瘍集積だけでなく、腎集積も増加することが報告されている。本研究では、それらの設計に、申請者らが独自に作り上げた薬剤設計を組み合わせ、腫瘍集積性の向上と腎集積性の低減を同時に解決することで、核医学におけるセラノスティクスを目的とした放射性標識ソマトスタチンアナログの体内動態を最適化することを目的とする。 腫瘍集積性の向上のためにアルブミンバインダーを導入したペプチドについては、昨年度に合成に成功した標識前駆体2つと対照化合物の標識前駆体に対し、標識とその後の精製の検討を行い、それらの方法を確立した。一方、腫瘍集積性の向上のために多価ペプチドを利用する設計については、まず、一価ペプチドから放射性標識多価ペプチドを作製する設計について検討を進めた。しかし、目的とする放射性標識多価ペプチドが得られなかったことから、その後は、あらかじめ合成した多価ペプチドを放射性標識する設計について検討を進めた。他の化合物と結合させるための修飾をした一価ペプチドを合成し、それらを繋ぎ合わせるための化合物と反応させることにより多価ペプチドを合成することを計画したが、修飾一価ペプチドの収率が低く、目的物を得るまでには至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
アルブミンバインダーを導入したペプチドについては、標識後の精製時に不純物が生じたため、それを回避する標識、精製法の確立に時間を要した。一価ペプチドから放射性標識多価ペプチドを作製する設計については、目的とする標識化合物が得られなかった。あらかじめ作成した多価ペプチドを放射性標識する設計では、修飾一価ペプチドの収率が低く、時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
合成法はある程度確立できたことから、複数の化合物の合成を同時並行で進めることにより、時間を短縮したい。また、放射性標識体を用いた検討については、対照化合物の一部が共通していることから、アルブミンバインダーを利用した設計と多価ペプチドを利用した設計の両方の検討をできるだけ同時に行い、時間の短縮を図りたい。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れているために、使用額が予定より少なくなった。 令和5年度に使用しなった研究費は基本的に、令和5年度に実施する予定であったが実施できなかった実験に対して使用する。
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