2022 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病における黒質の神経変性を評価するマルチパラメトリックMRIの開発
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22K07698
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
藤原 康博 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (90422675)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 磁気共鳴画像 / パーキンソン病 / 定量評価 / 磁化移動効果 / 高分子プロトン / 神経変性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、パーキンソン病においてProdromal期の早期編成を評価する画像バイオマーカーの探索を目的としている。本年度は、脳局所のマルチパラメトリックイメージング技術の開発および適切な定量値を取得するための撮像パラメータの調整を進めた。フィリップス社製の3.0T MRI装置でタンパク質ファントムを用いて、異なる3種類の高速スポイルドグラジエントエコー法を用いて撮像を行い、取得した複数の画像からモデル分析を行うことによって、プロトン密度、R1値、高分子プロトン分画、磁化率を定量したマップを作成し、定量値の妥当性を検証した。その結果、測定した高分子プロトン分画はタンパク質濃度と高い直線性を示したことから、開発したイメージング法を用いてタンパク質を定量可能であることが明らかにした。また、健常者8名の脳対象に同様のイメージング法で撮像を行い、同様のマルチパラメトリックマップを取得し、大脳基底核および白質の高分子プロトン分画と磁化率を測定した。測定値と文献値との比較により、生体内の高分子プロトン分画と磁化率を同時に定量可能であることを明らかにした。また、並行して脳画像解析のフレームワークを構築し、大脳基底核を対象としたボクセルベース解析が可能なプログラムを作成した。さらに、0.3T MRI装置を用いて同様にファントムおよび脳組織を対象に高分子プロトン分画を定量し、定量値の妥当性を3.0T MRIでの値と比較評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり、イメージング技術の動作の検証と定量値の妥当性の評価ができたため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
脳画像解析のフレームワークの開発を進めながら、高齢健常者およびパーキンソン病の患者を対象に撮像を行い、複合的定量指標を用いた画像解析を進める。
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Causes of Carryover |
当初、発表予定であった学会に現地参加しなかったため、次年度使用額が生じた。翌年以降の学会参加および成果発表の旅費として使用する予定である。
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Research Products
(7 results)