2022 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム障害のメカニズム解明のための脳機能イメージングプローブの創製
Project/Area Number |
22K07714
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
牧野 顕 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 准教授 (00566226)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / 脳機能 / PET / 分子イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自閉症スペクトラム障害(ASD)患者と健常者との間で、脳内に発現している特定の受容体発現量にどのような差異が生じており、それがどのように病態に関与しているのかを明らかとすることを非侵襲的な画像診断法の一つであるポジトロン断層撮像法(PET)による画像診断で将来的に実現することを目的として、これを可能にするための新規PET用分子プローブの開発を進めている。 本年度研究では、PET撮像に必要となるポジトロン放出核種として半減期が110分と比較的に長く、医療用小型サイクロトロンにて製造することが可能なF-18を選んだ。次に分子標的となる脳内受容体に対する既知の阻害剤の分子構造や既に報告されている論文の構造―活性相関に関するデータなどを参考としながら、フッ素原子が導入されたプローブ候補化合物を新たに設計した。また設計した非放射性のプローブ候補化合物を有機化学的手法を駆使することで化学合成した。 本研究では、プローブ候補化合物のインビトロ有効性評価をスムーズに進行するために、予め準備を進めていた評価実験系を使用する予定であった。しかしながら既知の阻害剤を使用するブロッキング実験などの検討を進める中で、この評価系が想定通りに機能していないことが明らかとなった。そこで新たな評価系の構築を始めた。評価系の再構築が確立し次第、合成を完了しているプローブ候補化合物の有効性インビトロ評価を再開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PET用のポジトロン放出核種としてF-18を導入した、PET用プローブ候補化合物を既知の阻害剤分子構造等を参考としながら設計した。また、非放射性のプローブ候補化合物を有機化学的手法にて合成した。一方でプローブ候補化合物のインビトロ有効性評価実験に使用する予定であった評価実験系に不備が見つかったため、評価系の再構築を進めている。評価系の再構築がまだ完了していないため、合成が完了した非放射性のプローブ候補化合物のインビトロ評価ができておらず、若干の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
評価系の再構築を優先して作業を進める。新たな評価系が確立し次第、それを用いたプローブ候補化合物の有効性評価とその結果を踏まえたプローブの改良再設計、再合成を順次進めていく。
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Causes of Carryover |
追加で評価系を再構築する必要が生じたために、プローブ候補化合物の化学合成が遅れた結果、次年度使用額が生じた。遅れたプローブ候補化合物の化学合成を加速するために、合成化合物の精製操作に使用するクロマト装置にオートサンプラーを導入する費用として使用する。
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