2022 Fiscal Year Research-status Report
深層学習を用いた脳深部の高精細MR画像 ~7テスラ超高磁場MR画像に迫る~
Project/Area Number |
22K07715
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中根 俊樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60569789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田岡 俊昭 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (30305734)
福永 雅喜 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 准教授 (40330047)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 超高磁場MRI / 深層学習 / 脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、中枢神経系の画像診断にて必須となるMRIにおいてすら、感度が低く、描出能の低下する脳深部の画質の改善を行うために、深層学習を応用した画像の生成を試みてきた。脳深部の核は臨床応用されている脳深部核刺激のような外科的処置において標的とされる領域であり、また、その構造内の特定の変化は多発性硬化症やパーキンソン病等の疾患に関連しているため、大きさや形状、信号評価といった画像上の特性の評価は、手術計画や医学研究等の関連研究や応用において重要な要素となり、その要望に応える精緻な画像の取得が望まれている。その為、本研究で目指すべき高画質の画像としては、国内では限られた施設でしか利用できない7テスラの超高磁場MR装置を用いて取得された画像を対象とするようにした。 MR装置はその静磁場強度が強くなるほど高い信号雑音比が得られ、良好な画質の画像を取得することが出来る。近年、一般の医療施設においても普及してきた3テスラのMR装置より、7テスラのMR装置の方が静磁場強度は強く、その結果、例え体内の深部の構造であっても、低い静磁場強度よりも、高い静磁場強度の装置の方が優れた画質の画像が得られるため、その画質を得られるような深層学習を進めるよう計画してきた。 今年度は7テスラの高磁場のMR装置から得られた画像を深層学習における教師画像として、一般の臨床現場に普及して用いられている3テスラMR装置から得られた画像からの画像の生成をする為、既に存在する7テスラのMR装置と3テスラのMR装置で取得された画像でのサンプルとなる画像の収集を行い、そこからの学習を先ず試みた。また、実験の開始のため7テスラのMR装置と3テスラのMR装置において、可能な限り同一の条件でのファントム画像の撮像に取り組み、併せて深層学習の環境についても検討を重ねてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究を開始するため、資料の収集、整理、データの蓄積・解析のためのワークステーション、ソフトウェア、セキュリティ関連の物品等の購入を進め、情報収集のため関連諸学会に出席した。これまで実施されてきた学会、研究会において、深層学習の応用の例について、過去の報告や撮像に関連する情報の検索や理解を深め、新たな知見を得ることができた。また、実際の深層学習を用いた画像生成の例について、画像データを取り扱い、手順について検討することが出来た。 超高磁場MR装置を取り扱える施設での実験の申請を行い、現状は超高磁場MR装置と、高磁場MR装置とでどのような撮像を行えるかの検討の段階であり、当初予定していたような被験者での撮像は進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
MR装置での撮像の手順を十分確認出来たら、早急に被験者による撮像を行い、実験データのチェック、解析を進めていく。逐次、データ処理を進めていく。
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Causes of Carryover |
深層学習に用いるワークステーションを、実際に使用可能な予算額に合わせ検討してきたが、調整に難航し、当初予定していた時期に購入できなかったため。
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