2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of Cell Tracking PET imaging probes for diagnosis of cell therapy
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22K07716
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
志水 陽一 京都大学, 医学研究科, 講師 (90634212)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Cell Tracking / 核医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、患者由来の免疫細胞を用いたがん免疫療法(CAR-T、TCR-T療法)や、iPS細胞などを用いた再生医療など、様々な細胞療法が開発・臨床応用されている。これらの細胞療法の治療効果を正確に判断するためには、移植細胞の生着度、体内分布について正確に評価する必要がある。そのためには、ヒトの体外より定量的に分布評価が可能である核医学(PET)イメージング技術を用いたCell Tracking法が最も有用であるものの、Cell Trackingに適したPET診断用薬剤は未だ開発・実用化されていない。そこで本研究では、細胞療法の治療効果予測のためのCell Tracking PET診断用薬剤(68Ga/64Cu/89Zr-CTP)を開発し、これまで適切な手法のなかった細胞療法の性状診断を可能とする核医学診断法の確立を目指す。 令和4年度は、院内サイクロトロン固体ターゲットシステムを用いた64Cuイオンおよび89Zrイオン製造法の検討を行った。64Cuについては、64Niターゲットの作製法(電着法)を確立するとともに、サイクロトロン照射条件および製造した64Cuイオン回収・精製条件について検討し、得られる放射能量については目標の50%程度であるものの、その後の標識反応に十分に高純度の64Cuイオンを得られることを確認した。また、64CuイオンとDOTA標識前駆体との標識反応についても検討し、放射化学的純度95%以上で64Cu標識薬剤を製造できることを確認した。89Zrについても同様に検討したところ、高純度の89Zrイオンを今後の標識反応等の検討に十分な放射能量で得られることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
サイクロトロン固体ターゲットシステムは、本研究開始時までにセットアップが完了している予定であったが、COVID-19の影響により、海外からのサイクロトロンエンジニア来日対応が遅れたため、本システムの立ち上げに遅れが生じ、本研究の進捗にも影響を及ぼした。なお、68Ga標識薬剤の製造に必要となる68Gaイオンのサイクロトロン製造法については確立している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度では、引き続き64Cuイオン製造法の最適化について検討を進めるとともに、68Ga/64Cu/89Zr-CTP標識前駆体の合成、および各核種標識法の検討およびin vitro、in vivo検討を進める。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響に伴い、令和4年度に実施予定であった実験の一部が実施できていない状況であり、本実験に用いる予定であった消耗品費等を令和5年度に繰り越すことになった。令和5年度は本繰越予算も使用して本研究の加速化を目指す。
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