2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel method for radiotheranostics using controlled drug release system
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22K07812
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宗兼 将之 金沢大学, 薬学系, 助教 (80804806)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 核医学診断・治療 / 薬物放出制御法 / リポソーム / 抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高分子から低分子薬物を放出するDrug Delivery Systemを核医学診断法に応用することで、高分子の高いがん組織移行性と低分子の速やかな正常組織からの消失性を兼ね備え、高コントラストの診断画像を取得できる新規核医学診断法の開発を目指している。さらに、治療用放射性核種を用いた核医学治療へ応用することで、治療効果が高く、副作用の少ない新たな治療法の構築も行っている。 本年度は温度応答性リポソームを用いた核医学診断・治療法の開発として、体温付近の37℃では安定に存在し、43℃で加温した場合はリポソームに内封した尿排泄性の放射性標識体を放出する温度応答性リポソームの脂質組成を検討した。その結果、コレステロール含有量が放出性に大きく関与しており、in vitroにおいて良好な放出性を示すリポソームの脂質組成を見出した。また、in vivoにおける放出性を確認するため、健常マウスへ放射性標識温度応答性リポソームを投与し、投与直後から尻尾を1時間加温したところ、非加温群と比べて有意に血中放射能が低下すること、尿中排泄量が有意に増加することを見出した。さらに、核医学治療への応用を検討するため、治療用放射性核種による標識法の検討を行った。核医学診断用の放射性核種であるIn-111を用いた標識と同条件では、核医学治療用放射性核種であるLu-177の標識ができず、In-111よりも高いpH、高い配位子濃度が必要であることが分かった。 抗体からの薬物放出を利用した核医学診断・治療法の開発にも着手しており、薬物放出に必要なリンカーの合成を進めている。化合物の設計の関係上、放出される化合物の構造が母体としている尿排泄性の化合物とわずかに異なる構造となったため、放出される化合物をIn-111で標識し、健常マウスにおける体内分布を評価したところ、高い尿排泄性を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、in vitroにおいて放射性標識体の放出性を評価し、良好な放出性を示すプローブを開発することを目標としていた。抗体からの薬物放出を利用した核医学診断・治療法の開発に関しては、化合物の合成が完了していないものの、放出される放射性標識体が尿中へ高く排泄されることを確認できた。温度応答性リポソームに関しては、in vitroにおいて良好な放出性を示すリポソームの脂質組成を見出すだけでなく、in vivoにおける放出性も確認できた。また、治療用放射性核種を用いた標識検討にも着手できたこと等から、概ね、順調に進んでいると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
温度応答性リポソームを用いた研究に関しては、良好な放出性を示した脂質組成のリポソームを用いて担がんマウスにおける体内放射能分布を解析し、がん集積性を評価する。高いがん集積性が確認できた場合は、尻尾の加温により高いがん集積と血中からの消失を同時に達成することができるかを臓器摘出法及びSPECT撮像法により評価する。また、温度応答性リポソームの表面修飾によるがん特異的な集積の増大、治療用放射性核種を用いた治療への応用に関しても検討を進めて行く。 抗体を用いた研究に関しては、尿排泄性の放射性標識体を放出可能なリンカーの合成が済み次第、抗体との結合、放射性標識、抗体からの放射性標識体の放出性評価等のin vitro試験を行う。次いで、健常及び担がんマウスを用いた体内分布評価、及びin vivoにおける放出性評価を行う。これらの実験より良好ながん集積性と血中からの消失性が確認できた場合は、高いがん集積と血中からの消失を同時に達成することができるかを臓器摘出法及びSPECT撮像法により評価する。また、治療用放射性核種を用いた治療への応用に関しても検討を進めて行く。
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Causes of Carryover |
抗体を用いた実験に関して、化合物の合成に予定より時間を要しており、予定していたin vitro評価まで実施できなかったため、次年度使用額が生じた。今年度は、化合物の合成とin vitro評価が終わり次第、予定していたin vivo評価を行う予定である。
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Research Products
(4 results)