2022 Fiscal Year Research-status Report
経年変化とT波形評価に注目した成長期QT延長症候群の新たな診断基準の確立
Project/Area Number |
22K07840
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 博 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (00401737)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 淳一 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (00835324)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | QT延長症候群 / 学校心臓検診 / T波形 / QT間隔 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、成長期のデータに基づいた成長期独自の先天性QT 延長症候群(以下LQTS)診断基準の作成である。そのために学校心臓検診を受けた健常小児(:学校心臓検診群)とLQTS小児例の心電図を比較検討する。 今年度は、両群の症例登録すすめた。学校心臓検診群では予定通り、1357例を新規登録し、2018年からはのべ7085例のデータとなった。LQTS小児例では、魚沼基幹病院と新潟大学医歯学総合病院で計64例を登録した。学校心臓検診群のデータベースは、1)心電図画像用と2)数値・文字情報用に分かれていたが、今年度、これを統合したデータベースが構築できた。 さらに得られたデータを元に、学校心臓検診で抽出されるQT延長者や診断されるLQTSの成長に伴う心拍補正QT間隔(以下QTc)の変化を検討した。学校心臓検診で心電図を、小1と小4に記録した490名:A群と、小4と中1で記録した489名:B群を対象とした。QT延長の抽出基準をA群ではFridericia補正のQT間隔 (以下QTcF)≧430とし、B群ではQTcF≧440とした。A群で抽出基準を満たしたのは小1、小4時ともに、男 2名、女1名。うち小1と小4で共に基準を満たしたのは女1名のみ。B 群での抽出基準を満たしたものはは小4時、男 1名、女2名、中1時では男 2名、女2名。うち小1と小4で共に基準を満たしたのは、男女各1名。B群にLQTSの2型が3名いた。うち1例は中1では抽出基準を満たしたが、小4では満たしていなかった。別の2名は、小4、中1時ともに抽出基準を満たしていた。以上より学校心臓検診でのQT延長者のQTcも成長に伴い個々に変化し、抽出対象も学年により異なった。LQTSのQTcも変化し、1回の心電図では抽出されない症例もあり、成長期での縦断的評価の有用性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学校心臓検診群の横断的評価を進める予定であったが、1)心電図画像情報用と2)数値・文字情報用を統合したデータベースの導入が遅れたため、評価を行えた症例が限定されたが、一部横断的評価は行えた。 LQTSの症例登録は、魚沼基幹病院と新潟大学医歯学総合病院では進んだが、他施設への症例登録依頼は、倫理審査申請が遅れているため行えていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
学校心臓検診群の評価は、新規データベースを稼働させ、横断的評価、縦断的評価を進めていく。LQTSの症例登録は、自院ではさらに進め、他施設への症例登録依頼も、倫理審査申請を行った上で、進めていく。
|
Research Products
(5 results)