2023 Fiscal Year Research-status Report
経年変化とT波形評価に注目した成長期QT延長症候群の新たな診断基準の確立
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22K07840
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 博 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (00401737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 淳一 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00835324)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | QT延長症候群 / 学校心臓検診 / T波形 / QT間隔 |
Outline of Annual Research Achievements |
プレリミナリーな研究として、「成長期のQT延長症候群を診断するための心拍補正QT間隔基準値の検討」を主題として以下の内容を2024年3月に開催された日本循環器学会学術集会に発表した。 【背景】心拍補正QT間隔(以下QTc)はQT延長症候群(以下LQTS)の診断に最も重視される心電図所見である。QTcは、正常者、LQTS患者ともに成長期に変化することが知られているが、成長期のLQTS診断のためのQTc基準値の検討は少ない。【目的】同一集団で異なる年齢でのQTcを調べ、成長期のLQTS診断のためのQTc基準値を検討する。【対象】魚沼基幹病院または新潟大学医歯学総合病院で遺伝子診断されたLQT1またはLQT2のうち、小4と中1で12誘導心電図が記録されている19例(男8名、女11名)(:LQTS群 )。対照群はM市の学校心臓検診で、小4と中1で12誘導心電図を記録した489名(男240名、女249名)のうち、各学年での自動計測でBazett補正QT間隔(QTcB)またはFridericia補正QT間隔(QTcF)が90パーセンタイル以上の102名 (男54名、女47名)【方法】用手接線法計測で、小4と中1でのQTcBとQTcFを求め、ROC解析により、性別に各学年でのLQTS診断のためのQTcBとQTcFのカットオフ値を求めた。【結果】β遮断薬の投薬を受けていたLQTS患者は、小4時に9例、中1時には11例であった。QTcB、QTcFとも概ね高い精度でLQTSの診断が可能であった(いずれの学年、性別でも感度は90-100%、特異度は87-100%)。しかし男女とも10歳時が13歳時より診断精度が高く、カットオフ値も異なった。年齢別にQTcの基準値を設けることで診断精度が上がる可能性があり、またLQTS診断に最適な年齢があるかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常対照群となる、学校心臓検診受診者の心電図データは予定通り収集できている。 またQT延長症候群症例も、所属する学会等を通して全国から49施設の参加の申し出があり、目標症例数を上回る見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
参加申し出のあった全国の施設からQT延長症候群の症例情報をelecgtric data captureを利用して収集し、解析を行っていく。
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Causes of Carryover |
予定していた症例情報収集のためのelectric data capture の導入が2024年度にずれ込んだため、2024年度にelectric data capture 導入のため使用する予定
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Research Products
(1 results)