2022 Fiscal Year Research-status Report
周産期予後改善を目指したウレアプラズマ陽性母体および新生児治療に関する臨床的研究
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22K07847
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
児玉 由紀 宮崎大学, 医学部, 教授 (30305081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮫島 浩 宮崎大学, 学長 (50274775)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 子宮内感染 / 周産期死亡 / ウレアプラズマ / 羊水感染 / 早産 / 慢性肺疾患 / 脳室周囲白質軟化症 / 新生児敗血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】本研究では、まず宮崎県独自のpopulation-based dataをもとに、ウレアプラズマ感染早産の頻度を調査すし、さらに県内周産期センターで管理する早産症例の抗菌薬投与群と非投与群の比較を行い、その治療効果としての妊娠延長期間や母体感染所見、胎盤病理所見、児の炎症、培養、予後について調査することを目的として開始した。出生児の抗菌薬治療についても児の予後に関連するかどうかを解析していく。 【研究実施計画】①ウレアプラズマ保菌妊婦および早産児の頻度を調べる:県内総合・地域周産期母子医療センターにおいて、妊娠22から33週の早産症例のウレアプラズマ培養を実施し、陽性例を対象として登録し、母児のウレアプラズマ保菌頻度をpopulation-basedで調べる。②ウレアプラズマ陽性妊婦と児に対する抗菌薬治療とその有効性を検証する:①と同じウレアプラズマ陽性妊婦を対象として、その後の観察研究を行う。母体抗菌薬治療と妊娠延長期間、また、出生した早産児のウレアプラズマ保菌の有無と抗菌薬治療、予後について情報を収集し検討を行う。 【研究実績】2022年度には、当院と他機関からの登録合計4例と以前のウレアプラズマ陽性13例が収集できた。この中から早産となったのウレアプラズマ陽性児に関する症例報告を論文として投稿した(日本周産期・新生児医学会雑誌 in press)。2020年に論文として発表した羊水ウレアプラズマ/マイコプラズマ培養陽性の早産6例報告では、感染による直接的な死亡等の予後不良はみられなかったことから、貴重な報告と考えている。引き続き症例蓄積を継続していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の妊娠中のウレアプラズマ感染母体の登録件数は、当院で2例、他機関から2例(うち1例は22週未満の流産症例)であった。2022年以前の症例13例と併せて17例でデータを収集している。本県での早産におけるウレアプラズマ培養陽性数は予想より少ない印象である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き当院と他機関からウレアプラズマ陽性の症例登録を継続し、データをまとめていく。合わせて、子宮内感染と早産、周産期・新生児予後に関する論文作成を行なっていく。
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Causes of Carryover |
昨年度、繰り越し金額が60,382円発生しました。これはコロナ感染拡大のため、オンラインでの学会参加があったためです。今年度以降は、コロナ感染もやや落ち着き始めており、現地参加の学会が増える予定です。参加予定の学会は、日本産科婦人科学会、日本周産期・新生児医学会、日本新生児成育医学会、Society fot Gynecologic Investigationなどです。
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Research Products
(10 results)