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2023 Fiscal Year Research-status Report

先天性サイトメガロウイルス感染による神経学的合併症の分子病態解明とその制御法開発

Research Project

Project/Area Number 22K07901
Research InstitutionNational Center for Child Health and Development

Principal Investigator

中村 浩幸  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 母児感染研究室, 室長 (70256866)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsヒトサイトメガロウイルス / HCMV / 先天性サイトメガロウイルス感染症 / 日和見感染症 / shRNA / 低分子ヘアピン型RNA / 相互作用
Outline of Annual Research Achievements

ヘルペスウイルスの一種であるヒトサイトメガロウイルス (HCMV)は、易感染宿主に感染し日和見感染症を引き起こす。また、母体胎盤を介して胎児に感染することで、感染児に神経・感覚器障害などさまざまな合併症を引き起こす場合がある。
HCMVの病原性発現メカニズムの解明には、HCMVの生活環に関わるウイルス因子および宿主因子に関する理解が重要と考えられるが、現時点では未解明な部分が多く残されている。HCMV生活環に深くかかわるウイルス因子および宿主因子を同定し、両因子がどのように相互作用しながらHCMV生活環の維持や病原性発現に関わっているかを理解することは、HCMV病原性の制御法を見出すうえでも重要なステップと考えられる。
本研究では、HCMV生活環に深く関わる宿主因子の同定を目的として、さまざまなヒト遺伝子の発現を抑制できる低分子ヘアピン型RNA (shRNA)ライブラリーをヒト神経系培養細胞に導入することで個々のshRNAが導入された細胞集団を作製した。次に、この細胞集団に対して実験的にHCMVを感染させることでHCMV感染現象をin vitroで再現した。細胞集団の中からHCMV感染現象が抑制された細胞を拾い出した後、各細胞に導入されたshRNA配列を解析することで、shRNAが標的とする細胞遺伝子を同定した。その結果、HCMV生活環との関連がこれまで知られていなかった細胞遺伝子を標的とするshRNAが見出された。そのため、HCMV感染現象に対してshRNAがどのような影響を及ぼすのかについて解析を進めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ヒト神経系培養細胞に導入された多数のshRNAの中から、HCMV感染現象を抑制する可能性のあるshRNAを同定するための解析を本年度も進めた。その結果、shRNAおよびshRNAが標的とする細胞遺伝子が新たに同定された。同定された細胞遺伝子の中にはこれまでHCMV生活環との関連が指摘されていない細胞遺伝子も含まれていた。各shRNAを単独で再導入したヒト培養細胞において、shRNAの標的となっている細胞遺伝子の発現が抑制されてることを確認した後、shRNAがHCMV感染現象に及ぼす影響について解析を進め新たな知見が得られた。

Strategy for Future Research Activity

これまでに見出されたshRNAについて、HCMV感染現象に影響をおよぼすshRNAであることを確認したうえで、HCMV遺伝子発現やHCMV複製などへのshRNAの影響を含め、shRNAの作用機序について解析を進める予定である。

Causes of Carryover

本研究に使用した試薬・消耗品類については、効率的な使用に努めることで今年度も予定額より低く抑えることができた。
来年度は、今年度までに得られた成果をさらに発展させるため、引き続き研究費の効率的使用を心掛けながら、必要な物品購入や人件費等への使用を行う予定である。

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Published: 2024-12-25  

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