2022 Fiscal Year Research-status Report
横紋筋肉腫メタボローム解析(尿/組織)による診断マーカーとオンコメタボライト探索
Project/Area Number |
22K07911
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
住田 亙 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (70437044)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城田 千代栄 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20378194)
成田 敦 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20625149)
牧田 智 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20718415)
田井中 貴久 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (30378195)
内田 広夫 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40275699)
高橋 義行 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40432273)
大澤 毅 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (50567592)
田中 裕次郎 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90382928)
檜 顕成 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (90383257)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 横紋筋肉腫 / 液体クロマトグラフィー質量分析法 / キャピラリー電気泳動質量分析法 / 尿中代謝物 |
Outline of Annual Research Achievements |
横紋筋肉腫は小児肉腫の中で最も頻度が高い希少性・難治性の肉腫であり、小児がんの5~8%を占める。治癒可能な病気へと変化しつつあるが、現行の治療法では未だ十分な治療効果が期待できない。小児横紋筋肉腫の5年無増悪生存率は高リスク群で30~50%と予後不良で現在の診断治療法だけでは未だ十分な治療効果とは言えず、新たな診断治療法の開発が急務である。最近では質量分析計を用いたメタボロミクスの発展により生体内の代謝情報を鋭敏且つ包括的に捉えることが可能となり、様々な癌種において新たなバイオマーカーや病態の解明が進んでいる。メタボロミクスは生命現象そのものを観察することができ、先入観にとらわれず包括的に生命現象を捉えることができる。横紋筋肉腫においても代謝変動の解明が病因解明や新規治療法の開発に寄与すると考えられるが、その代謝変動に着目した診断マーカーや創薬は前例がない。本研究課題の核心をなす学術的「問い」は横紋筋肉腫に特徴的にみられる代謝産物(オンコメタボライト)や代謝系を見出すことである。本研究では横紋筋肉種患児尿サンプルでメタボローム解析を行い、疾患貢献度の高い尿中代謝物(バイオマーカー)を抽出、更に病態解明を目指して代謝物パスウエイ解析を行い検証する。 ①詳細な臨床情報を有する尿検体の回収(神経芽腫患児および健常者)、②診療情報を生かした横紋筋肉腫検査モデル構築と妥当性の検証、③代謝経路などの代謝リプログラミング解析の計3項目を検討予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常者10サンプルと病理組織が胎児型の横紋筋肉腫15サンプルを収集し、尿中代謝物を測定した。LC/MS: 液体クロマトグラフィー質量分析法とCE/MS: キャピラリー電気泳動質量分析法で健常者と胎児型横紋筋肉腫の尿中代謝物を測定・比較し、胎児型横紋筋肉腫で21代謝物の有意な上昇を確認した。 現在、胎児型横紋筋肉腫にて有意に上昇している代謝経路などの代謝リプログラミング解析も検証中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
①詳細な臨床情報を有する尿検体の回収(横紋筋肉腫患児および健常者)、②診療情報を生かした横紋筋肉腫検査モデル構築と妥当性の検証、③代謝経路などの代謝リプログラミング解析の計3項目を中心に研究を行う。引き続き横紋筋肉腫の悪性度を尿中代謝物で評価するために、横紋筋肉腫の判別に使用できるか検証する必要があると考えている。 より悪性度が高いとされている病理組織が胞巣型の横紋筋肉腫についても検討を行う。 本研究では今後もLC/MS:液体クロマトグラフィー質量分析法とCE/MS:キャピラリー電気泳動質量分析法で関連する代謝物を検討する。
|
Causes of Carryover |
コロナの影響で協力機関との連携や会議がスムーズに進まず繰越額が生じた。 R5年度の尿中代謝物解析や研究、会議等の交通費に使用する。
|