2023 Fiscal Year Research-status Report
新生児ヘモクロマトーシスの原因となるアロ抗体同定とIVIG治療の理論的基盤の確立
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22K07933
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
谷内江 昭宏 金沢大学, 附属病院, 特任教授 (40210281)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 新生児ヘモクロマトーシス / 胎児治療 / アロ抗原 / プロテインアレイ / ELISA |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児ヘモクロマトーシス(NH)は胎児期に発症、出生直後から高度の肝機能不全、全身臓器の鉄沈着を伴う、致死的疾患である。出生時にはすでに病態が完成していることが多く、唯一、肝移植が救命的治療の可能性を持っている。前年度までで、胎児治療を施行した母体より得られた血清試料を材料として、高率で存在することが予想されるNH関連アロ抗原の同定を、プロテインアクティブアレイを用いてた試みた。これまで、新生児ヘモクロマトーシス の発症病態に関与する可能性があるアロ抗原候補の絞り込みを行った。候補となった抗原について、抗体検出のためのELISA 系を構築し、現在患者母体、対照妊婦、正常対照について血清中特異抗体を定量開始している。有力候補と推定された抗原に対する ELISA 系により、複数の症例で共通にアロ抗体を検出することが可能となった。さらに、対照妊婦、非妊娠女性の結成中には検出されないか、極めて低力価であることも確認した。 今年度はさらに、胎児抗原蛋白発現アレイデータを入手し、胎児肝組織に高発現する蛋白と、プロテインアクティブアレイによって絞り込まれた候補蛋白との照合を行った。今年度新たに、胎児肝組織ならびに成人肝組織の mRNA 発現比較を施行し、胎児肝特異的に発現している複数の蛋白を同定、この中に上記のアロ抗原も含まれることを確認した。
現段階で、このような複数のアプローチの組み合わせによって、胎児肝組織特異的に高発現を示し、かつNH妊婦において抗体価が上昇することが示唆される少数の蛋白の絞り込みに至った。 これら候補タンパクについて、病態発症との直接の可能性について、引き続き検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終的な責任抗原の特定について難航しているが、候補抗原は絞られており、今後の進展が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、複数症例における検討を重ねて、候補抗原の可能性を確認することが必要とされる。 そのため、検討症例を追加して検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
検討対象症例の追加に伴い、研究遂行にやや遅れが生じています。新たな検討対象の追加を次年度以降計画しており、これにかかる費用をを次年度使用額に充てる予定です。
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