2022 Fiscal Year Research-status Report
Creation and establishment of minimally invasive treatment for early-stage gastrointestinal cancer using multifunctional submucosal injection solution.
Project/Area Number |
22K07955
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
浦岡 俊夫 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80448216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柚木 俊二 北海道大学, 産学・地域協働推進機構, 特任教授 (20399398)
佐藤 圭吾 群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (40868626)
栗林 志行 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (60726173)
下田 将之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70383734)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 粘膜下局注 / 低侵襲治療 / 医療用デバイス / 内視鏡的切除 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)粘膜下局注用IJCの基本データ取得と動物実験への供給:IJCは二段階の温度応答性ゲル化反応から成り、一段目はコラーゲンの線維化による物理ゲル形成である。本年度は、IJCの一段目ゲル化速度の制御を試みた。①NaCl濃度の影響:リン酸水素ナトリウム濃度を50mMに固定し、NaCl濃度を変えてIJCのゲル化速度を評価したところ、IJCゲル化速度の加速はNaCl濃度>100mMで制御すべきと示唆された。②塩の種類の影響:「tg37 vs tg30」(ぞれぞれ37℃および30℃のゲル化時間)の相関関係をもとに、このバランスを改善すること、すなわちtg37が小さくtg30が大きくなるような物性を塩の種類および濃度の選択により達成することを試みた。塩濃度の増加によるコラーゲン線維化の加速は静電的効果ではなくむしろ塩析効果であることが明らかになった。以上の新知見をもとに、NaCl濃度により一段目のゲル化を制御し、ゲニピン濃度(未処理・活性化処理)で二段階目のゲル化を制御した、計5種類のIJC設計を終えた。 (2)ESD後潰瘍の状態評価:生体ブタを用いた動物実験についての実行性を確認した。生体ブタの胃および大腸にIJCを粘膜下局注し、仮想癌病変に対して筋層直上での内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行い、粘膜下層のほぼ全層を剥離する。ESD実施後の各臓器を摘出してホルマリン固定して病理診断を行った。予定していた免疫組織学的評価は十分行えなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)粘膜下局注用IJCの基本データ取得と動物実験への供給 極めて順調であり、当初の計画通り、進めることができた。 (2)ESD後潰瘍の状態評価 急性および慢性実験についての実行性を十分に行えたが、予定した免疫組織学的評価は行えなかった。 以上から、おおむね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
①前年度に行った計5種類のIJC設計から、さらなる検討を行い、粘膜下局注に適した2種類のIJCに縛りこむ。 ②前年度十分でなかったIJCによるESD後潰瘍の急性期の組織評価を行う。さらには、2年目に予定していた組織再生評価を行う。前年度と同様にIJCを粘膜局注材として用い、ESDにて、胃および大腸の粘膜下層のほぼ全層を剥離する。術後経時的にに内視鏡的に評価し、最終日に安楽死後に各臓器を摘出する。また、安楽死後臓器摘出し、潰瘍状態を肉眼的・病理組織学的・免疫組織化学的に評価し、IJC局注後の組織再生評価を行う。
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Causes of Carryover |
概ね机上および動物実験は予定通り実行できており、次年度使用額は多くはない。 次年度使用額が生じた理由は、動物実験が予定より進まない点があったためである。
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