2022 Fiscal Year Research-status Report
大腸低分化腺がんにおけるSAA1の分子機能解明と診断・治療への応用
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22K07964
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
青木 敬則 札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (40749496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高澤 啓 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00593021)
山本 英一郎 札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (60567915)
新沼 猛 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60708113)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大腸がん / 微小環境 / 浸潤 / SAA1 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸がんにおけるSAA1の機能を解析するため、まず大腸がん細胞株を用いてsiRNAによるSAA1のノックダウン実験を行った。MTTアッセイの結果、SAA1ノックダウンは大腸がん細胞の増殖に影響を与えなかったが、遊走能・浸潤能を低下させた。逆にSAA1の過剰発現は大腸がん細胞の遊走能・浸潤能を促進することが、Boydenチャンバーアッセイおよびコラーゲンゲル浸潤アッセイから確認された。さらにSAA1を過剰発現した大腸がん細胞の遺伝子発現をマイクロアレイ解析し、MYCシグナルや細胞周期に関する遺伝子群の発現が誘導されることを見出した。次に大腸がん細胞においてSAA1発現を誘導するメカニズムを解析した。SAA1発現を誘導するサイトカインとしてインターロイキン1β (IL-1β)が知られている。大腸がん細胞株をリコンビナントヒトIL-1βで処理した結果、SAA1発現の誘導が確認された。またIL-1β処理は大腸がん細胞の遊走・浸潤能を促進したが、その効果はSAA1ノックダウンにより減弱したことから、IL-1βはSAA1の誘導を介して大腸がん細胞の遊走・浸潤を促進すると考えられた。大腸がん微小環境においてIL-1βを産生する細胞として線維芽細胞、マクロファージ、好中球などが考えられる。我々は、ヒト単球性白血病細胞THP-1をphorbol 12-myristate 13-acetate (PMA)で処理し、マクロファージ様細胞を誘導し、大腸がん細胞との共培養実験を行った。その結果、共培養によりマクロファージ様細胞ではIL-1β発現が誘導され、大腸がん細胞ではSAA1発現が誘導されることを明らかにした。また大腸がん臨床検体の免疫組織染色から、早期大腸がん浸潤先進部においてマクロファージがIL-1βを発現し、その近傍の大腸がん細胞がSAA1を発現することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大腸がん細胞におけるSAA1の機能解析を行い、SAA1が遊走・浸潤を促進することを明らかにした。またSAA1が大腸がん細胞の遺伝子発現プロファイルに与える影響をマイクロアレイ解析し、基礎的なデータを取得することができた。さらにマクロファージと大腸がん細胞の相互作用がSAA1発現を誘導し、大腸がん浸潤を促進することを示す結果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸がん細胞とマクロファージの共培養実験系を用いて、マクロファージがSAA1発現を誘導するメカニズムをさらに明らかにする。またマイクロアレイデータから、大腸がん細胞におけるSAA1の分子機能をさらに明らかにする。また、臨床検体をさらに収集・解析し、浸潤先進部におけるSAA1および関連遺伝子発現を詳細に検討する。
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Causes of Carryover |
予定していた学会出張の一部がリモートによる参加となったため、その分旅費を使用しなかった。また実験の大半を自分で行う事ができたため、人件費の支出がなかった。次年度は、実験の消耗品、学会出張、実験補助員の謝金として使用する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Serum amyloid A1 recruits neutrophils to the invasive front of T1 colorectal cancers.2023
Author(s)
Yoshido A, Sudo G, Takasawa A, Aoki H, Kitajima H, Yamamoto E, Niinuma T, Harada T, Kubo T, Sasaki H, Ishiguro K, Yorozu A, Kai M, Katanuma A, Yamano HO, Osanai M, Nakase H, Suzuki H.
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Journal Title
J Gastroenterol Hepatol.
Volume: 38
Pages: 301-310
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Assessment of postoperative common bile duct stones after endoscopic extraction and subsequent cholecystectomy.2022
Author(s)
Sugiura R, Nakamura H, Horita S, Meguro T, Sasaki K, Kagaya H, Yoshida T, Aoki H, Morita T, Fujita M, Tamoto E, Fukushima M, Ashitate Y, Ueno T, Tsutaho A, Kuwatani M, Sakamoto N.
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Journal Title
Surg Endosc.
Volume: 36
Pages: 6535-6542
DOI
Peer Reviewed
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