2022 Fiscal Year Research-status Report
炎症性肝発癌過程におけるDNA脱メチル化酵素の機能的役割と分子機序の解明
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22K07983
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高井 淳 京都大学, 医学研究科, 助教 (80760587)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
Tet1-floxedマウス、Tet2-floxedマウスをAlb-Creマウスと交配し、肝細胞特異的にTet1, Tet2およびその両者を欠損させたマウス(Alb-Tet1-/-, Alb-Tet2-/-, Alb-Tet1-/-Tet2-/-)を作成した。生後6週より高脂肪食を各遺伝子型のマウスおよびコントロール群に投与し、16週投与した時点で表現型を解析したところ、コントロール群に比較してAlb-Tet1-/-, Alb-Tet2-/-, Alb-Tet1-/-Tet2-/-群で有意に肝組織の脂肪化の進行を認めた。この傾向はAlb-Tet2-/-, Alb-Tet1-/-Tet2-/-群で特に強く、Tet2が脂肪肝の発症・増悪に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。 また、およそ10例の非アルコール性脂肪肝を背景とした肝癌症例の切除検体から癌部および非癌部組織を複数個採取し、網羅的な解析目的で凍結保存した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各種遺伝子改変マウスの作成と高脂肪食投与実験は順調に進んでおり、興味深い表現型が確認されている。また、将来的な網羅的解析の対象となる臨床検体の収集も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験については、さらに個体数を増やして表現型の違いにつき詳細に検討する一方、投与期間を延長することで発癌の有無につき評価を行う。 臨床検体の採取も本年度と同様に進めて、それらを用いたトランスクリプトーム解析やDNAメチル化解析を行う。
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Causes of Carryover |
本年度2月・3月に購入した物品の値段が想定よりもやや安かったため、2859円を次年度の経費(消耗品購入)に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)