2023 Fiscal Year Research-status Report
活性化血小板をターゲットとした炎症性腸疾患バイオマーカー同定と新規治療法の開発
Project/Area Number |
22K07995
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
長沼 誠 関西医科大学, 医学部, 教授 (00265810)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 活性化血小板 / 血小板-単球複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症性腸疾患(IBD)は若年に発症し慢性に炎症が持続することにより、患者の生活の質を妨げる難治性炎症性腸疾患である。IBD患者の活動期に血小板増加や機能亢進が認められることは報告されているが、臨床的に有用な血小板表面マーカーの探索に関する研究、特に数多くのマーカーを網羅的に解析している報告はない。本研究は活性化血小板、単球―血小板結合体をターゲットとした、重症度、治療効果予測、治療効果判定、再燃予測などに有用な疾患バイオマーカーや治療標的となり得る血小板分子を同定し、また活性化血小板をターゲットとした従来の作用機序とは異なる新規治療薬候補を開発することを目的とし、研究を開始してきた。 すでに、健常人に比して、IBD患者における活性化血小板マーカーであるCD62Pの発現が血小板において優位に高いことを示してきたが、今年度はCD62P以外のD40L、CD63、PAC-1、Annexin V、CD36の割合をフローサイトメトリーで検討した。CD40LおよびCD36の割合はIBD患者でやや高い傾向にあるものの有意差はないことを示し、CD62PがIBD患者における血小板活性化のマーカーとして有用性あることが示唆された。またIBDの中でも潰瘍性大腸炎(UC)の方がクローン病や腸管ベーチェット病より有意に発現の割合が高いことを示した、また血小板や血小板-単球複合体(platelet-monocyte-complex; PMC)の発現についても検討し、重症度の高い症例において、PMC発現の割合が高いことより、血小板活性化、特にPMCがUCの重症化や難治化に血小板活性化が重要である可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
可溶性CD62PやCD40Lなどの活性化血小板に関与するサイトカインの測定、またバイオマーカーや血栓症の合併のリスク予測としての有用性について検討が終了していないため。
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Strategy for Future Research Activity |
活性化血小板や血小板-単球複合体がUCの重症化に寄与することは明らかにしてきたが、活性化血小板の表面分子であるCD62Pの測定はやや時間を要するため、より簡便に検査可能な方法を検討するため、活性化血小板に関与する、血清CD62PやCD40Lの濃度をELISAにて測定しバイオマーカーとしての有用性を今後検討予定である。またバイオマーカーとしての有用性を検討するために、内視鏡的重症度や組織学的重症度との関連や治療前後におけるCD62PやPMCの発現の推移について検討していきたい。さらにはマウス腸炎モデルにおけるCD62Pに対する抗体を投与した場合の腸炎抑制効果についても検討中である。
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Causes of Carryover |
活性化血小板関連分子が潰瘍性大腸炎における難治化や治療効果予測などのバイオマーカーとしての有用性の検討およびCD62Pをターゲットとした治療法開発のための動物モデルにおける腸炎抑制効果については次年度に検討する予定であるが、活性化血小板分子の治療による推移の検討、治療効果予測因子としての有用性に関する検討に要する費用、動物実験のための購入費が必要であることより、次年度の予算に計上した。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Medical treatment selection and outcomes for hospitalized patients with severe ulcerative colitis as defined by the Japanese criteria2024
Author(s)
Naganuma M, Nakamura N, Kunisaki R, Matsuoka K, Yamamoto S, Kawamoto A, Saito D, Kobayashi T, Nanki K, Narimatsu K, Shiga H, Esaki M, Yoshioka S, Kato S, Saruta M, Tanaka S, Yasutomi E, Yokoyama K, Moriya K, Tsuzuki Y, Ooi M, Fujiya M, Nakazawa A, Takagi T, Omori T, Tahara T, Hisamatsu T; Japanese UC Study Group.
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Journal Title
J Gastroentrol
Volume: 59
Pages: 302-314
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Real-world efficacy and safety of first- and second-advanced therapy in hospitalized patients with ulcerative colitis.2023
Author(s)
Naganuma M, Kobayashi T, Kinisaki R, Yamamoto S, Matsuoka K, Kawamoto A, Saito D, Nanki K, Narimatsu K,Shiga H, T,Esaki M, Yoshioka S, Kato S, Saruta M, Tanaka S, Yasutomi E, Yokoyama K,Moriya K, Tsuzuki Y, Ooi M, Fujiya M,Nakazawa A, Abe T,Hisamatsu T.
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Journal Title
J Gastroentrol
Volume: 58
Pages: 1198-1210
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Combined serum albumin, fecal immunochemical test, and leucine-rich alpha-2 glycoprotein levels for predicting prognosis in remitting patients with ulcerative colitis2023
Author(s)
Nakamura N, Honzawa Y, Nishimon S, Sano Y, Tokutomi Y, Ito Y, Yagi N, Kobayashi S, Aoi M, Tahara T, Fukata N, Fukui T, Naganuma M.
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Journal Title
Sci Rep
Volume: 13
Pages: 13863
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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