2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of a novel mechanism of NASH focusing on bile acid transporters
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22K08004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥新 和也 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40753918)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪肝炎 / 胆汁酸 / BSEP / MRP2 / 胆汁酸組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、ヒト肝生検組織を用いた検討において、肝細胞からの胆汁酸排出を司るトランスポーターbile salt export pump (BSEP)およびMultidrug resistance-associated protein 2(MRP2)の肝内発現がNAFLDの進行に従い低下することを見出したことを起点として、BSEPおよびMRP2がNAFLDの進行すなわちNASHの病態形成に関わっている可能性について検討を行った。 本研究では、BsepおよびMrp2のダブルヘテロノックアウトマウス(Bsep-Mrp2 HKOマウス)、Bsep HKOマウス、Mrp2 HKOをそれぞれ作出し、8週齢から20週齢にかけて高脂肪食または通常食の投与を行った。 当該年度においては、これらのマウスにおける肝臓および腸管での遺伝子発現を中心に検討を行った。興味深いことに、Bsep-Mrp2 HKOマウスの胆汁酸代謝関連の遺伝子発現は、肝臓および腸管の双方において、Bsep HKOよりもMrp2 HKOとの類似性が示唆された。 この知見は胆汁酸排出においてdriving forceはBSEPとされ、MRP2は副次的な役割を担っているが、その対象とする基質は異なっており、Mrp2の遺伝子発現の変化が高脂肪食摂取下の胆汁酸代謝に大きな影響を及ぼすことを示唆するものである。今後、肝臓、腸管および血清中の胆汁酸組成にも着目し、胆汁酸トランスポーターを起点とする広範な代謝異常のメカニズムについてさらなる検討を加えたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BSEP-MRP2ヘテロノックアウトマウスの産出は依然として容易ではないが、当該年度では徐々に個体数が確保され、詳細な検討が可能となってきた。 肝臓、腸管および血清の遺伝子発現、胆汁酸組成および腸肝循環に中心的に寄与する腸内細菌叢について詳細な検討を行っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題においては、肝臓・小腸(特に胆汁酸の再吸収が行われる回腸末端部)・腸管内容物(小腸および直腸)および血清と臓器連関の検討に重点をおいている。 採取した各臓器においてLC-TOFMSにて胆汁酸分画を解析し、肝臓・小腸における胆汁酸および脂質代謝関連遺伝子・タンパクの発現解析に加えて、腸内細菌叢の16S rRNA系統解析を行いたい。
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Causes of Carryover |
当該年度においては比較的少数例での検討に留まり、遺伝子発現解析などを既存の試薬等を用いて実施することができた。 次年度においては、より多数例の広範な臓器における遺伝子発現および胆汁酸組成、腸内細菌叢等の検討を予定しており、当該年度分とあわせることによって、より詳細かつ広範な解析に注力したい。
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