2022 Fiscal Year Research-status Report
炎症性腸疾患予防・治療法開発を目指した小腸絨毛上皮細胞shedding機構の解析
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22K08045
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Research Institution | Osaka International Cancer Institute |
Principal Investigator |
松岡 洋祐 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 腫瘍増殖制御学部上級博士研究員 (60263258)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 小腸 / 細胞死 / 炎症性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
小腸絨毛上皮細胞の細胞死は生理的条件下では適切な頻度で絨毛先端部のみで起こる。細胞死の「場所」、「頻度」を規定する制御機構の破綻が炎症性腸疾患の発症に結びつくと考え、これら制御機構を担う特異的シグナルカスケードの解明を目指している。「場所」の規定に大きく関与すると考えられる活性型MAP3K1を特異的に認識できる抗体を入手することができ、小腸粘膜器官培養系を用いた実験から、絨毛先端部に活性型MAP3K1が存在することを確認できた。また、細胞死を阻害する薬剤PDで小腸上皮細胞を処理すると活性型MAP3K1が減少することも確認でき、活性型MAP3K1 が細胞死に関与する可能性が示唆された。一方、予想に反して、MAP3K1はPDの直接の標的ではなく、間接的に阻害されている可能性を示唆する結果が得られたため、MAP3K1と相互作用するタンパク質を検出することが重要課題となった。MAP3K1近傍に存在するタンパク質を特異的にビオチン化し、回収、検討する、AirIDシステムを用いる予定で、必要なベクター等は準備できた。この実験を行うために小腸絨毛上皮細胞を単層培養する条件検討を行っている。MAP3K1と相互作用するタンパク質の中にはPDの直接標的タンパク質等、細胞死に関与するシグナルカスケードの構成タンパク質が含まれているはずで、制御機構の解明が進展することが期待される。「頻度」を規定する因子としてRIPK1を見出してきたが、その活性制御機構の一面が明らかとなったので、論文にまとめ投稿、査読中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の重要検討事項の一つである「活性型MAP3K1の検出」については、特異的抗体を入手できたことから、予想以上の進展となった。一方、もう一つの重要検討事項である「MAP3K1標的キナーゼの探索」については、無細胞タンパク質合成系で生合成したMAP3K1の活性が低く、実施を見送ることになった。しかし、これに代えて実施予定の「MAP3K1と相互作用するタンパク質の検出」については順調に準備が進んでおり、MAP3K1標的キナーゼを探索する場合と同等かそれ以上の成果が期待できるので、全体としては、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
MAP3K1と相互作用するタンパク質を検出することが今後の最重要課題である。このために小腸絨毛上皮細胞をオルガノイド培養、または単層培養し、遺伝子導入を行えるよう条件検討する。これにより、AirIDシステムを用いMAP3K1と相互作用するタンパク質を同定することが可能となる。さらには、細胞死の「場所」、「頻度」を規定する制御機構に関与すると考えられるタンパク質を欠損あるいは減少させ、具体的関与を検討することも可能となる。
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Causes of Carryover |
p-MAP3K1抗体について、市販のもので使用可能なものが見つかり、自ら作製する必要がなくなったため、作製費用と購入費用の差額が生じた。またPK-arrayスクリーニングの準備を進めたが、組換えタンパク質の活性が低くスクリーニングを中止したため、組換えタンパク質の作製費用等のみの使用となった。これら2つにより、次年度使用額が生じた。
PK-arrayスクリーニングに代わって実施予定のAirID実施費用及びAirIDに使用する小腸上皮細胞のオルガノイド培養、単層培養費用(特に培地が高価である)として使用する計画である。
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Research Products
(1 results)