2022 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of tumor antigen recognition of T cell accumulated in the underlying liver of hepatocellular carcinoma
Project/Area Number |
22K08049
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小笠原 定久 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20749155)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨樫 庸介 千葉県がんセンター(研究所), がん治療開発グループ 細胞治療開発研究部, 客員研究員 (80758326)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 肝細胞癌 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 免疫療法 / 慢性肝炎 / 肝硬変 / CD8+T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞癌の発癌母地となる慢性炎症を有す肝臓(慢性肝炎または肝硬変)にはCD8+T細胞が蓄積・浸潤していることが知られている。一方、肝細胞癌のみならず全ての悪性腫瘍において免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を高めるためには腫瘍に浸潤する「腫瘍を認識した」CD8+T細胞が大きな役割を果たしている。肝細胞癌において背景肝に蓄積するCD8+T細胞と腫瘍に浸潤するCD8+T細胞の機能を個々に解析するために、我々は肝細胞癌対して免疫チェックポイント阻害剤を投与する症例の治療開始直前の臨床サンプルを、同一症例において①腫瘍局所、および腫瘍から離れた②背景肝の2ヶ所から生検を行い、ペアサンプルの蓄積、解析を行なった。本研究では臨床サンプルを用いて(A)肝細胞癌の腫瘍局および背景肝における免疫微小環境の評価、(B)肝細胞癌の腫瘍局所および背景肝のCD8+T細胞の抗原認識の相違性の探索、(C)項目A、Bで得られた解析結果と免疫チェックポイント阻害剤との奏効の関連性の検討を実施し、加えて(D)マウスモデルを用いたCD8+T細胞の抗原認識の相違性の検証を計画している。 本年度は、項目(A)では病理学的所見の検討、およびフレッシュサンプルを用いたフローサイトメトリー(FCM)を用いた免疫細胞の1細胞レベルの解析を行なった。項目(B)においてはTCRレパトア解析の準備を行なった。また、項目(C)の解析に向けてさらなる臨床データの蓄積を行なっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的を遂行するために計画した項目について、2021年度に予定した項目Aおよび項目Bの解析を行うことができたことから「おおむね順調に進展している」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、肝細胞癌における腫瘍局所および背景肝のCD8+T細胞の抗腫瘍免疫における機能解析を明らかにする目的で研究を継続する。おおむね計画通りに研究が進展していると判断しており、現行の計画で研究を行う。次年度は、項目A、およびBで解析を行う臨床サンプルの集積はおおむね完了しており解析を継続する。項目Bにおいては、代表例の臨床サンプルを用いたシングルセルシークエンスを用いてTCRと遺伝子発現を同時に行い共通クローンの機能解析を計画している。また、項目Cを解析するためのさらなる臨床データの集積を行うことを検討している。項目AからCで得られた知見をもとに項目Dの検討を予定している。
|
Causes of Carryover |
今年度は、臨床サンプルの収集、病理学的検討が主であり、予定より使用額が少なかった。次年度以降、得られた臨床サンプルでTCRレパトア解析およびシングルセルシークエンスを予定している。今年度に使用予定であった物品費を次年度に使用する予定である。
|