2022 Fiscal Year Research-status Report
Combination of T cell receptor gene therapy and immune checkpoint blockade
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22K08052
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中河 秀俊 金沢大学, 医学系, 助教 (90743469)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | TCR-T / 免疫療法 / がん免疫 / 肝細胞癌 / AFP / TERT / MRP3 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の本研究の目的は大きく二つに分けられ、一つ目は肝がん抗原特異的免疫反応の制御を詳細に解析することであった。具体的には、TCRseq-RNAseqを用いて特定の遺伝子の役割を解明し、それを制御することでより効果的なTCR-T(T細胞受容体変換T細胞)作製を目指した。本研究では、肝癌特異的なTCR 18種を用いて、それらがpeptide load系の標的細胞に対してどの程度の細胞傷害活性を示すかを検証した。その結果、18種のうち10種のTCRが有効な細胞傷害活性を示すことが確認できた。さらに、この細胞傷害活性が肝がん細胞に対しても同様に機能するか検証するため、HepG2細胞に対する細胞傷害活性を測定した。その結果、TERT特異的TCR 2種、MRP3特異的TCR 1種、AFP特異的TCR 1種の候補が選ばれた。次に、これらの候補をを用いてTCR-Tを作成し、肝がんゼノグラフト細胞株に対する細胞傷害活性を検証したところ、TERT特異的TCR 1種、MRP3特異的TCR 1種が選ばれた。一方、AFP特異的TCRについては有効な細胞傷害活性が示されず、さらなる検討が必要と考えられた。 目的2では、肝がん薬物療法における免疫反応の意義と効果予測の試みとして、Atezo/Bev療法を受けたHLA-A24陽性の患者について、治療前後の肝癌由来エピトープペプチドに対する免疫応答をIFNgELISpotアッセイで検証した。32例の比較解析から、免疫誘導された群とされなかった群とで生存中央値が456日と169日となり、免疫誘導された群で生存期間が長い傾向が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初初年度に予定していた実験をおおむね進めることができた。 ただし、AFP特異的TCRのゼノグラフトに対する細胞傷害が検出できていないためこちらは引き続き検証を続ける。
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Strategy for Future Research Activity |
Aim. 1 肝がん抗原特異的免疫反応の制御の解析:AFP特異的TCRを含めin vitroの検証を完遂する。ペプチドームの解析を引き続き継続する。 Aim. 2 肝がん薬物療法における免疫反応の意義と効果予測への試み:ELISpotを症例を増やし順次行う。フローサイトメトリーでの解析を進める。抗原特異的T細胞をテトラマーでも検出し、RNAseqを計画する。 Aim. 3 T細胞受容体遺伝子導入T細胞(TCR-T)療法とアテゾリズマブ・ベバシズマブ療法の併用療法を目指す基礎的検討:PDXマウス皮下腫瘍モデルの最適化を行い、TCR-T治療を行う。
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Causes of Carryover |
実験にかかる物品費がかからなかったため、物品費を計上することなく実験遂行が可能であった。より物品費を要する次年度以降のマウス実験を行うことに振り分けるため次年度使用額として計上した。
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